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異世界転生したら学園となりのゴーストタウンでした~怖がらない俺がハロウィンの街を作ったら世界一の観光地になりました~  作者: eccen.
第1章 出会いと開拓

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第2話 仲間集め開始! まずはゴーストを雇います

「……つまり。」


パンプは首をかしげた。


「ぼく、お仕事するの?」


「そう!」


俺は力強くうなずく。


「仕事!」


「お給料も出す。」


「おきゅうりょう?」


「頑張ったら、お菓子!」


「!!」


パンプの目が星のように輝いた。


「やる!」


「即決!」


可愛い。


思わず笑ってしまう。


どうやらこの世界でも、甘いお菓子は特別らしい。


「よし。」


俺はパンプと握手を交わした。


「今日から第一号スタッフだ。」


「すたっふ!」


パンプはその言葉が気に入ったらしく、何度も繰り返している。


「ぼく、スタッフ!」


その様子を見ていた白いゴーストも、おずおずと近寄ってきた。


「ぼ、ぼくも……」


「もちろん!」


「いいの?」


「大歓迎!」


「ほんと?」


「うん!」


ゴーストは嬉しそうにくるくる回った。


「仕事なんて初めて……。」


「今までは?」


「人を驚かせると怒られるから……。」


「あー。」


なるほど。


人間はゴーストを怖がる。


だから追い払う。


ゴーストは寂しくなる。


また驚かせる。


悪循環だ。


「だったら。」


俺はにやりと笑う。


「思いっきり驚かせればいい。」


「え?」


「仕事として。」


ゴーストは固まった。


「怒られ……ない?」


「むしろ拍手される。」


「拍手?」


「『きゃー!』って叫んでもらえる。」


「……!」


「笑顔になって帰ってくれる。」


ゴーストの目が潤んだ。


「そんな日が……来るの?」


「来る。」


俺は断言した。


「俺が作る。」


その一言で、ゴーストはぽろぽろと涙をこぼした。


「うわぁぁぁん!」


「え、泣いた!?」


「うれしいぃぃぃ!」


泣きながら俺に抱きついてくる。


……幽霊だから、すり抜けた。


「ご、ごめん!」


「いやいや。」


なんだこの子。


可愛すぎる。


その頃。


森の奥。


古びた屋敷の中では。


「報告します。」


小さなコウモリが飛び込んできた。


「人間が一人、侵入しました。」


玉座らしき椅子に座る影が目を開く。


「……追い返したか?」


「いえ。」


「逃げたか?」


「いえ。」


「悲鳴を上げたか?」


「いえ。」


「ならば……気絶したか。」


「いえ。」


「…………。」


沈黙。


「では何をした?」


コウモリは答えた。


「仲間を募集しています。」


「…………は?」


「しかも。」


ごくり。


「雇用しています。」


「…………。」


「ゴースト達が喜んでおります。」


「…………。」


「パンプも就職しました。」


「……就職?」


屋敷中が静まり返った。


「意味が分からん。」


「よーし!」


俺は町を歩きながら叫ぶ。


「次のスタッフ募集だ!」


パンプが元気よく飛び跳ねる。


「募集ー!」


ゴーストも続く。


「募集ー!」


すると。


墓石の後ろから。


ひょこ。


小さな頭が見えた。


ボサボサの銀髪。


青白い顔。


大きすぎる服。


どう見ても、小さなゾンビの女の子だ。


「あ。」


目が合った。


女の子は慌てて飛び出した。


「う、うらめしや~!」


勢いよく走る。


しかし。


何もないところで転んだ。


「ふにゃっ!」


ころん。


その拍子に――


ぽこん。


頭が転がった。


「…………。」


「…………。」


俺は目を丸くする。


頭を失った身体が、おろおろと走り回る。


「あれ?」


「頭……。」


「どこ?」


ようやく頭を見つけると、慌てて抱きかかえた。


「えいっ。」


ぽこん。


元通り。


「えへへ……。」


恥ずかしそうに笑う。


「失敗しました……。」


可愛い。


可愛すぎる。


「採用!」


「へ?」


「今日からスタッフ!」


「えっ?」


「君、お名前は?」


「ココ……。」


「よろしく、ココ!」


「……わたし。」


ココは目をぱちぱちさせる。


「怖く……ないの?」


「全然。」


「頭、取れたよ?」


「最高の芸だ。」


「芸?」


「大人気になる。」


「ほんと?」


「間違いない。」


ココは顔を真っ赤にした。


「そんなこと……初めて言われました。」


パンプが嬉しそうに飛び跳ねる。


「仲間!」


「仲間!」


ゴーストもくるくる回る。


「仲間!」


気が付けば。


森の木陰や屋敷の窓から、さらに多くの視線がこちらを見つめていた。


スケルトン。


黒猫。


コウモリ。


小さなゴースト。


みんな、不安そうな顔をしている。


「……。」


俺は深呼吸して、大きく息を吸った。


そして街中に響くような声で叫ぶ。


「みんな聞いてくれ!」


ざわっ。


モンスターたちの視線が集まる。


「俺は、この街を世界一楽しいハロウィンの街にする!」


静まり返るゴーストタウン。


「だから!」


俺は笑顔で両手を広げた。


「一緒に働いてくれる仲間を大募集する!」


その瞬間――


ガタン。


ギィ……。


屋敷の扉が開き。


墓石の陰から。


木の上から。


霧の向こうから。


次々と可愛らしいモンスターたちが姿を現した。


「……お仕事。」


「お菓子ある?」


「ぼくもやる。」


「わたしも。」


パンプは大はしゃぎで飛び跳ねる。


「社長!」


「いっぱい来た!」


俺は思わず笑ってしまった。


(よし。)


(まずはスタッフ集めだ。)


世界一楽しいハロウィンの街づくりは、こうして少しずつ動き始めた。

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