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異世界転生したら学園となりのゴーストタウンでした~怖がらない俺がハロウィンの街を作ったら世界一の観光地になりました~  作者: eccen.
第2章 巨大カボチャを育てよう!

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第13話 はじめての来訪者

「水が出るようになって本当によかったね!」


パンプはじょうろを片手に、鼻歌まじりで畑へ水をまいていた。


「はい!」


ココも小さなじょうろを持ち、慎重にカボチャの芽へ水をかける。


「大きくなってね。」


優しく声をかけると、葉っぱが風に揺れた。


「気のせいかな?」


ココは嬉しそうに微笑む。


ヨイはその様子を見ながら、畑の隅に新しい杭を打ち込んでいた。


「これで畑の区画は完成だ。」


ルミナは手帳に書き込みながらうなずく。


「予定より二日早いわ。」


「順調だな。」


アルも畑を見回し、満足そうに微笑んだ。


その時だった。


「……誰かいる。」


アルの表情が変わる。


「え?」


パンプも耳をぴくりと動かした。


街の入口から、誰かがこちらをのぞいている。


小さな人影だった。


ヨイは手を振る。


「こんにちはー!」


すると、その影はびくっと肩を震わせた。


「ひっ!」


慌てて隠れようとする。


「逃げちゃう!」


パンプが追いかけようとしたが、ヨイが肩を押さえた。


「待って。」


「でも……。」


「怖がらせたら意味がない。」


ヨイはゆっくり歩き出した。


両手を見えるように広げる。


「大丈夫。」


「何もしないよ。」


木の陰から顔を出したのは、小さな女の子だった。


年は七、八歳くらい。


かごを抱え、震えている。


「……。」


「こんにちは。」


ヨイはしゃがみ込み、目線を合わせた。


「迷子かな?」


少女は首を横に振る。


「違う……。」


「じゃあ、どうしたの?」


少女は恐る恐る街の中を見た。


「ここ……。」


「うん。」


「お化けがいるって聞いたから……。」


パンプはしょんぼりとうつむく。


「やっぱり怖いよね。」


その姿を見た少女は、少しだけ首をかしげた。


(思ってたのと違う。)


もっと怖い化け物だと思っていた。


でも目の前にいるパンプは、小さくて丸くて、どこかぬいぐるみみたいだ。


「君の名前は?」


ヨイが優しく尋ねる。


「……ミア。」


「ミアちゃんか。」


少女は小さくうなずく。


「実はね。」


かごを見せる。


中には真っ赤なリンゴが入っていた。


「森で採ってたら、お母さんとはぐれちゃったの。」


「ああ。」


ルミナが安心したように息をつく。


「迷子だったのね。」


「泣いて歩いてたら……。」


「この街に着いた。」


「そうだったのか。」


ヨイは笑顔で立ち上がる。


「それなら大丈夫。」


「お母さん、一緒に探そう。」


「……でも。」


ミアはパンプたちを見る。


「怖くない?」


パンプは少し考えてから、自分のカボチャ頭を外した。


「え?」


中から出てきたのは、ふわふわの茶色い髪をした小さな男の子だった。


「ぼく、本当はこれ。」


「そうなの!?」


パンプは照れくさそうに笑う。


「変身できるんだ。」


「知らなかった……。」


ココも笑う。


「パンプ、人を驚かせる時だけ被るんです。」


「そうそう!」


「普段は暑いし。」


「暑いんだ。」


ミアは思わず笑ってしまった。


その笑顔を見て、パンプも嬉しそうに笑う。


「笑った!」


「えへへ。」


ヨイはその様子を見て、小さくガッツポーズをした。


(よし。)


(最初の一歩だ。)


「みんな。」


ヨイが仲間たちを見回す。


「今日のお仕事は変更。」


「変更?」


「迷子救出クエスト開始!」


「クエスト!」


パンプの目が輝く。


「依頼人はミアちゃん!」


「報酬は……。」


ヨイが笑う。


「みんなの笑顔!」


「それ最高!」


パンプが拳を突き上げる。


ココも元気よく手を挙げた。


「頑張ります!」


アルは苦笑しながらもマントを翻した。


「では、捜索開始だ。」


ミアは目をぱちぱちさせる。


さっきまで怖いと思っていたゴーストたちが、今は頼もしい仲間に見えていた。


そしてヨイは気付いていない。


この小さな出来事が、後にゴーストタウンの評判を大きく変えるきっかけになることを。


「呪われた街で、迷子が助けられた。」


その噂は、少しずつ人から人へと広がっていくのだった。

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