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異世界転生したら学園となりのゴーストタウンでした~怖がらない俺がハロウィンの街を作ったら世界一の観光地になりました~  作者: eccen.
第1章 出会いと開拓

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第9話 街づくりの第一歩、カボチャ畑を作ろう!

「さて!」


翌朝。


ヨイは街の地図を広げながら、大きく伸びをした。


「今日は街の外へ行くぞ!」


「探検!」


パンプが元気いっぱいに飛び跳ねる。


「探検です!」


ココも小さく拳を握る。


アルは苦笑しながらマントを整えた。


「今度は何を思いついたんだ?」


「ハロウィンに絶対必要なものを探しに行く。」


「必要なもの?」


ルミナが首をかしげる。


ヨイは満面の笑みで答えた。


「カボチャだ!」


「またカボチャなの?」


「またとは何だ。」


「昨日からカボチャ、カボチャって……。」


「ハロウィンはカボチャが主役だから!」


ヨイは胸を張った。


「ランタンになる。」


「料理になる。」


「飾りになる。」


「お菓子にもなる。」


「万能なんだよ。」


パンプが目を輝かせる。


「すごい!」


「そんな野菜があるの?」


ルミナも少し興味が湧いてきたようだ。


「この世界にも似た野菜はあるけど……。」


「じゃあ決まり!」


ヨイは地図を丸めた。


「畑を作ろう!」


みんなで街の裏手へ向かう。


そこには広い空き地が広がっていた。


昔は畑だったのだろう。


土は固くなり、雑草が生い茂っている。


「広いね。」


ココが辺りを見回す。


「ここ全部?」


「全部。」


ヨイはしゃがみ込み、土を手ですくった。


黒くて柔らかい。


思っていたよりずっと質がいい。


「この土なら育つ。」


「分かるの?」


ルミナが驚く。


「なんとなく。」


ヨイ自身も不思議だった。


土に触れた瞬間、どんな野菜が育ちそうか、自然と頭に浮かんでくる。


前世では、こんな感覚はなかった。


(これが……転生の影響?)


まだ確信はない。


だが、この感覚を信じてみたかった。


「まずは雑草を抜こう。」


「はーい!」


パンプが勢いよく飛び込む。


「えい!」


一本抜く。


その勢いで後ろへ転ぶ。


「いたた……。」


「パンプ、大丈夫?」


ココが慌てて駆け寄る。


「へーき!」


立ち上がると、また雑草を抜き始めた。


その姿を見て、ヨイは笑う。


「無理しなくていいぞ。」


「社長!」


パンプは胸を張る。


「ぼく、お仕事好き!」


「みんなが喜ぶ街、作りたい!」


その言葉に、ヨイは少し胸が熱くなった。


この子たちは、命令されたから働いているわけじゃない。


自分たちの居場所を守りたいから、一生懸命なんだ。


「よし。」


ヨイは立ち上がる。


「俺も負けてられないな。」


鍬を手に取り、土を耕し始める。


ザクッ。


ザクッ。


久しぶりの土の感触。


心地よい汗が額を流れる。


その時だった。


ヨイが鍬を入れた場所から、淡い緑色の光がふわりと浮かび上がった。


「え?」


ルミナが目を見開く。


「今……光らなかった?」


「光った!」


パンプも見ていたらしい。


ヨイ自身も驚いていた。


土が呼吸するように、ほんの一瞬だけ光ったのだ。


そして、耕した場所の土が、さっきよりも柔らかくなっている。


「不思議……。」


ココが土を触る。


「ふかふか。」


アルもしゃがみ込んだ。


「これは……。」


「どうした?」


「植物の魔力が活性化している。」


「活性化?」


「普通の人間にはできない。」


ヨイは鍬を見つめる。


(やっぱり。)


(何か力がある。)


まだ何ができるのか分からない。


でも、この土地は自分に応えてくれているような気がした。


「社長!」


パンプが空を指差す。


「見て!」


顔を上げると、一羽の小鳥が畑へ舞い降りてきた。


続いて、二羽、三羽。


色とりどりの鳥たちが土の上で楽しそうに跳ねている。


ルミナは驚いたようにつぶやく。


「この街に……鳥が戻ってきた。」


ゴーストタウンには、生き物がほとんど寄りつかなかった。


それなのに今は、小鳥たちがさえずり、風に草花が揺れている。


まるで街そのものが、少しずつ目を覚まし始めたようだった。


ヨイはその光景を見て、小さく笑う。


「大丈夫。」


「この街は、きっと生まれ変われる。」


その言葉を聞いたルミナは、静かにヨイの横顔を見つめた。


そして誰にも聞こえないくらい小さな声でつぶやく。


「……本当に、不思議な人。」


春の風が、ゴーストタウンを優しく吹き抜けていった。

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