89.依頼人への報告
89.依頼人への報告
翌朝、冒険者ギルドに到着したヤモとマオをフレデリカとリーシャが入り口で出迎えてくれた。
「フレデリカ、今日はよろしく頼む」
「フレデリカおねえちゃん、よろしくおねがいします」
「こちらこそ、それじゃあ出発しようか。リーシャ、留守を頼んだよ」
「かしこまりました。皆さん、お気をつけていってらっしゃいませ」
リーシャに見送られたヤモ達は、言葉少なにバートン男爵邸へと向かった。
歩みを進めるに伴い、徐々にバートン男爵邸が近付いてくる。
次第に、緊張感をはらんだ沈黙が広がっていった。
そうこうしているうちに、目前にバートン男爵邸が見えてくる。
「フレデリカ様、ヤモ様、マオ様。本日は、ご足労いただきありがとうございます」
バートン男爵邸の門の前では、プリシラの専属メイド・ナターシャが待っており、ヤモ達を出迎えると邸宅の中へと案内してくれた。
ヤモ達が案内されたのは応接室。
そこには、バートン夫妻とプリシラがソファに腰掛けて待っていた。
三人の顔には疲労の色が濃く浮かび上がっている。
心労のせいでろくに身体を休められていないのかもしれない。
それでも、プリシラとセレナはヤモとマオと目が合うと柔らかに微笑んでくれた。
ジョセフはというと、険しい表情ながらもヤモとマオに対して意外なことに小さな会釈で応えてくれたのだ。
「本日はお時間をとっていただきありがとうございます。冒険者ギルドのギルドマスター、フレデリカ・ローゼンです」
「ジョセフ・バートンです。こちらこそ、本日はお越しいただき感謝いたします。どうぞ、おかけください」
ジョセフが長机を挟んで対面のソファにフレデリカ達を促し、ナターシャに目で合図をする。
ナターシャはお辞儀をしてから部屋を出ていくと、茶器やお菓子がが載せられたティーカートとともに戻ってきた。
お茶と菓子の準備が終わったところで、フレデリカが話を始める。
「プリシラ様、今回の依頼結果について私方から説明させていただきます」
フレデリカは丁寧にこれまでのことをプリシラたちに説明をしていった。
ニックが禁足地のラミア洞窟へ向かったこと。そこで死亡した可能性が確定であること。
そして、仮に洞窟内でニックが生存していた場合でも、遺体や遺骨が残されていたとしても、禁足地であるため救出にも回収にも向かうことが不可能だということをプリシラたちに伝えたのだった。




