81.王都警備隊
81.王都警備隊
三人組は背後を取られていることに気付かずに振り返って逃げようする。
だが、もう遅い。
「ぐっ!ぐぎゃぁっ」
『あっ、あにきぃ〜』
三人組は背後で構えていた協力者の二人と前方でタイミングを計っていたヤモによって、呆気なく捕らえられた。
同時に店の扉が開き、王都警備隊の面々が入ってくる。誰かが警備隊を呼んでくれたようだ。
先頭の青年が叫ぶ。短い金髪の実直そうな青年だ。
「王都警備隊だ!賊が暴れていると聞いたが、この者たちか!?」
「こいつらだ!捕まえてるから連れて行ってくれ!」
協力してくれたうちの若者一人が、声を大にして叫んだ。
「ちくしょう!離せ!離せよぉ!俺たちは、何もしてねえよ!」
『そうだそうだ!アニキの言う通ぉりぃ〜!!』
三人組は何とか逃れようとして、身をよじるが屈強なヤモと協力者に抑えこまれているため、暴れることはかなわない。
警備隊は三人組の拘束をヤモ達から引き継ぐと、あっという間に三人組を縛り上げてくれた。
「隊長のオルフェスだ。皆、怪我はないようだな?」
実直そうな青年は店内にくまなく視線を巡らせると、安堵の息をついた。
「マオ、ギルドカードを出すんだ」
「はい!ヤモおねえちゃん」
ヤモとマオははギルドカードを取り出すとオルフェスに提示する。
「冒険者ギルド所属のヤモとマオと申します。我々の依頼にこの三人組が関係している可能性があります。三人組から話を聞きたいのですがお時間をいただけないでしょうか」
「おじちゃんたちからおはなしをききたいのです」
「ギルドには、我々も世話になっている。依頼が関係しているのならば聴取することに異論はないよ。この者たちは詰所に連行するから、君達も我々と一緒に来るといい」
申し出を了承してくれたオルフェスの厚意に感謝し、ヤモとマオは警備隊とともに詰所へと向かうことにした。
目当ての三人組を見つけた安堵感からヤモとマオの腹からは空腹が消え去っている。
ヤモとマオは、三人組の拘束に力を貸してくれた二人の若者に礼を伝えた。
「君たちの協力のおかげで奴らを捕らえることができたよ、ありがとう」
「おにいちゃんたちありがとうございました!」
「力になれて何よりだよ」
「あんたたちも、おつかれさん!」
二人の若者は照れくさそう頬を染めると、快活な笑顔を浮かべてヤモとマオを労ってくれた。
他の飲食客からは、ヤモとマオ、そして二人の若者へと惜しみない拍手が巻き起こる。
「オティ、ハウメア、私とマオは詰所に行く。帰りにまた寄るから、ピザはその時にテイクアウトさせてもらってもいいか?」
「おしごとおわりのごほうびにしますね!」
「わかった…熱々のうまいピザ…作る…二人とも…頑張れ」
「うん!待ってるわ!ヤモちゃん、マオちゃんお仕事頑張ってね!」
オティとハウメアは嬉しそうに微笑むと、気合を入れて詰所へ向かうヤモとマオを送り出してくれたのだった。




