79.三人組の男たち
79.三人組の男たち
そこにいたのは三人組の男たち。
ヤモとマオが驚いたのは、その三人組の顔に見覚えがあったからだ。
冒険者のような服装。鋭い目と四角張った顔貌、狡猾そうな目と面長な顔貌、ギョロッとした目にぶくぶくとした顔貌。
現れた三人組は、似顔絵とそっくりそのままな顔貌をしていた。
見紛うことない、すでに頭の中に嫌というくらいに刻みこまれた似顔絵の三人組だ。
「ヤモおねえちゃん…あのおじちゃんたち…」
「マオ、行くぞ」
「はい、ヤモおねえちゃん!」
ヤモはマオを肩にのせて席から立つと男たちの前に歩み出る。
同時に、オティも険しい表情で厨房からホールの方に出てきた。
オティも似顔絵の三人組だと気付いたのだ。
当の三人組はというと、ニヤニヤと嗤いながら店内を舐めるように見回している。
気持ちを不快にさせる下卑た嗤い方だ。
「なんだぁ〜?ここはモンスターがご店主のお店かよぉ〜。しかも、ゴブリン!どぉ〜りで、くっせぇ〜わけだよなぁ!」
四角張った顔の男が店内を見渡しながら、わざとらしく声を張り上げた。
ガラガラとタンの絡まったような野太い声が、不快指数に拍車をかける。
左右にいる面長男とぶくぶくとした顔の男は無言だが口を歪めて同調を表明していた。
三人組の中では四角張った顔の男がリーダー格だということがよく分かる構図だ。
「お客さま…他の…お客さまの…ご迷惑に…なりますので…!ご退店、願います…!!」
オティは落ち着いた態度で丁寧に三人組に告げた。
だが、筋骨隆々の全身からは身震いするほどの怒気が揺らめくように沸き上がっていた。
店内の人々も三人組を不愉快を隠すことなく、三人組を睨みつけている。
せっかくの和やかな食事や憩いの時間を邪魔されたのだから当然だ。
「ああ〜?お客様は店について感想を言っちゃいけないのかよぉ〜?なぁ、お前らぁ、そうだよなぁ」
『その通りその通り!アニキの言う通り!』
面長男の甲高い声とぶくぶくとした男のくぐもった声が寸分違わずに同意した。
「どこが感想だ。お前たちがしていることは、オティへの侮辱だろう。こんなことは、お客のすることじゃない…!」
ヤモはオティの隣に並び立つと、凄みのある低い声で反論する。
迫力には欠けるがマオも精一杯の怖い顔で三人組を見据えていた。




