77.協力
77.協力
「ヤモ…久しぶり…元気…か?」
ぎこちない話し方に思えるが、そもそもゴブリンは人語は話せない。
オティが人語を話せるのは彼自身の研鑽と努力の積み重ね。そして、愛妻・ハウメアの支えがあったからだ。
並々ならぬ努力と精進が実を結び、オティの店は王都で一番人気のピザ店なのである。
「あれ…この子…は…?」
オティの視線がヤモ肩でピタリと止まる。
「この子はマオだ。今、二人で仕事をしている」
「マオです!よろしくおねがいします!」
「マオ…オレ…名前…オティ……よろしく…」
オティは、マオに笑いかけた。黒スグリ色の双眸は温かに細められ、眼差しはとても優しい。
「今日は…どうした…?」
「今、人捜しをしているんだ。ぜひ、協力してくれないか?」
「ニックさんと、このおじちゃんたちをさがしているんです」
マオはニックの写真と似顔絵をオティとハウメアに差し出した。
オティとハウメアは、じっくりと似顔絵に目を通して確認してくれてから、申し訳なさそうに首を振った。
「すまない…ヤモ…マオ…オレ…見たこと…ない…」
「わたしも、見覚えがないわ…ごめんなさいね」
「大丈夫だ、気にしないでくれ。悪いが、店内で聞きこみをさせてもらって構わないか?」
「もちろん…だ…協力…しよう」
「お客さまたちには、わたしからお願いするから安心して!」
そう言ってくれたオティとハウメアは、店内の人々に呼びかけてくれた。
人々も快く協力してくれたおかげで、ヤモとマオはスムーズに聞き込みをすることができた。




