6.来訪者
6.来訪者
「それじゃあ、お言葉に甘えて買い出しに付き合ってもらおうかしらね!今日はね、食器類を新調したいのよ」
「ヤモは目利きも確かだからな、良いの選んでくれよ!食材も買い足そうと思ってるからよ、荷運び手伝ってくれや」
「分かった。まかせてくれ」
「期待してるぞ!よーし、なら準備して10時には買い出しに出かけるか。昼飯は、オッティモでピザでも食べて…」
コンコン。
コンラッドが言いかけたところで入り口の扉をノックする音が響いた。三人で顔を見合わせる。客だろうか。外の扉には定休日を表すCLOSEDの看板が掛けてあるのだが。
「あらあら、今日は定休日なのに…。はーい、どなた?」
小首を傾げつつ、ジーナが扉を開けた。
開けた扉の前に立っていたのは、冒険者ギルドの受付嬢・リーシャ・メイ。
「お休みのところ申し訳ありません」
ダークブルーの髪を三つ編みおさげにし、竜胆色の瞳には黒縁の大きな丸い眼鏡をかけている。白いブラウスにダークネイビーのリボンタイと膝丈のスカートはギルド職員の証だ。
リーシャの愛らしい顔には恐縮した色が浮かんでいる。
「まあ、リーシャちゃんじゃないの?」
「どうしたんだ?」
ジーナとコンラッドが目をぱちくりさせる。外に立ったままでいようとしたリーシャを2人は店内に促した。入ってすぐに、リーシャは深く頭を下げる。
「すみません、ヤモさん。実は、ヤモさんにお願いがあって参りました」
「私にか?」
「はい。ギルドマスターから、ヤモさんに至急ギルドまで来ていただきたいと」
ギルドマスターは冒険者ギルドのトップ。そんな人物からの呼び出しをギルド所属の冒険者が断るのは難しい。まず間違いなく断れる冒険者はいないだろう。




