39.初めての寝坊
39.初めての寝坊
「ジーナおばちゃん、ヤモおねえちゃん!マオのもちもちたいそうどうでしたか!」
両手を上げたまま体操をフィニッシュさせたマオは、ワクワクとした表情でジーナとヤモを交互に見上げた。
「すごいわ、マオちゃん!とっても上手よ!ね、ヤモ!」
「ああ、見事だった。マオ、これからも鍛錬をすれば、もっと上手になるぞ」
「ほんとうですか!」
「ああ、本当さ!マオには才能がある」
実際、お世辞などいえないほどマオのもちもち体操は素直な称賛に値する。
特に体幹が素晴らしい。ぶれることなく伸びやかな動きを見せていた。
「わぁーい!マオ、がんばります!ジーナおばちゃん、ヤモおねえちゃん、ありがとうございます!」
マオはよほど嬉しいのか、ぴょんぴょんとはねて喜んだ。
「お!マオちゃん、もちもち体操終わったのか?」
キッチンかまどの入り口扉が開き、コンラッドが顔を出した。
ヤモに気付いたコンラッドが手を上げる。
「おぅ!ヤモ、おはようさん!ヤモにしては、今日はいつもより遅かったな」
「おはよう、コンラッド…遅い?」
挨拶を返したヤモは、コンラッドの言葉にキョトリとしてから時計を確認した。
時刻は八時三十分。
完全にいつものルーティンの起床時間を大幅に過ぎている。
特段、自身に対してペナルティを決めているわけではないが、ルーティン的には完全なる寝坊だ。
「…完全に寝過ごした」
「それだけしっかり眠れたってことでしょう、いいことじゃない!」
「そうだぜ!さあ、朝飯にしよう。マオちゃんもヤモも腹減っただろ?うまい飯作ったからいっぱい食べるんだぞ」
「マオちゃん、中に入りましょう!ミルティアプリンもできてるからね。ヤモも着替えておりてらっしゃいな」
「はーい!マオ、ミルティアプリンたのしみです!」
ジーナはマオを抱き上げる、と二階にいるヤモに呼びかけてからコンラッドとともに中に戻っていった。
三人が中に入ったのを見届けたヤモも、大急ぎで身支度を整えてから一階へと下りることにした。
マオの指導係として手本となるべきが、初手から寝坊とはヤモにしてみればとんでもない失態である。




