31.千里の道はもちもちから
31.千里の道はもちもちから
「しっかり三食食べてぐっすり寝る。あとは適度な運動。規則正しい生活が基本、だな」
「それが、ひけつなのですね」
真摯に答えるヤモとうんうんと頷くマオ。その姿はまるで、種族は違えど姉妹のように見える。
「ただ、運動は無理をしすぎてはダメだ。出来る範囲でやるんだぞ」
「わかりました!マオ、もちもちたいそうをまいにちがんばります」
マオは、張り切って片手を掲げた。
もちもち体操とは、カルディア王国内の子供たちの間で流行している体操である。
流行の発端は人形劇だ。人形劇に出てくる女の子が披露した体操が人気を博し、国中の子供たちに流行している。
「もちもち」と歌いながら陽気に身体を動かすのが特徴だ。
簡単な動きではるものの全身を使うので、幼子にとっては最適な運動なのである。
「いい心がけだ、マオ」
ヤモは力強く同意した。
雨だれ石を穿つ。鍛錬は小さくても一歩踏み出すことと焦らない積み重ねが大事だ。
それが出来るマオは立派だと、ヤモは思う。
「マオ、がんばります!」
マオは意気込みも新たに、チーズピザをパクっと口に運び他の料理ももりもりと食べていく。
小さいながらも気持ちの良い食べっぷりだ。幸せそうに食べる姿は皆の食欲を促進させる。
フレデリカとリーシャは嬉しそうに笑みを交わした。
「マオに喜んでもらえてよかったよ」
「ホントですね!マオさん、雪桃ジュースのおかわりもどうぞ」
「わあ!リーシャおねえちゃん、ありがとうございます!」
とくとくと注がれる雪桃ジュースにマオは顔を輝かせた。雪桃のさっぱりとした甘い香りが漂う。
「いやー!いい食べっぷりだぜ、マオちゃん」
「明日の朝ごはん、作るのが楽しみね!マオちゃん、何か食べたいものはある?おばちゃんとおじちゃんが腕によりをかけて作るわ」
自らも料理を作ることも食べることも好きなマクリール夫妻は、声を弾ませてマオに聞いた。




