30.乾杯!
30.乾杯!
「よーし、ピザが温まったぞ!」
竈でピザを温め直したコンラッドとトレイにグラスやコップ、カラトリーを載せたジーナがテーブルに戻って来た。
ハバネロのピリッとした刺激的な香りと濃厚なチーズのまろやかな香りが鼻をくすぐった。
とろけたチーズは、ジュウジュウと音を奏で、ピサ生地は食欲を誘わんばかりにぷくぷくと膨らんでいる。
大人たちのグラスにはブロッサムワインが注がれ、マオのコップには雪桃ジュースが注がれた。
みんなで席に着き、ヤモたちは乾杯のためにグラスを持ち上げる。
マオもヤモのマネをして自分のコップを両手で持ち上げた。
歓迎会開始の乾杯音頭を取ったのはフレデリカだ。グラスを高く掲げる。
「それでは、マオの歓迎を祝してー乾杯!」
『乾杯!』
「かんぱーい」
グラスとコップが奏でる、涼やかな乾杯音と賑やかな声が店内に響いた。
「マオ、トゥーナの串焼き食べるか?ほら、チーズピザも。熱々だから気をつけて食べるんだぞ」
「くしやきもピザもおいしそうです…いただきまーす!」
マオの皿には、ヤモによって次々と料理が取り分けられていく。
マオは取り分けられた料理を嬉しそうに頬張っては、とろけそうな表情を浮かべた。
そんなマオとヤモの様子をマクリール夫妻もフレデリカ、リーシャも微笑ましく見守っていた。
「ヤモおねえちゃん、いっぱい食べたらマオはヤモおねえちゃんみたいになれますか?」
口の周りにチーズをつけたマオが、真剣な面持ちでヤモに聞く。
「私みたいにになりたいのか…そうだな」
マオの質問を真剣に受け止めつつ、ヤモは紙ナプキンでマオの口の周りのチーズを拭ってやる。
あまりに微笑ましい光景に、コンラッドたちはさらに笑みを深くしたのだった。




