29.マオの歓迎会と腹の虫ハーモニー
29.マオの歓迎会と腹の虫ハーモニー
「えへへ、マオ、おなかペコペコになっちゃいました」
これに、誰からともなく吹き出してしまった。
「そうね、夕ごはんにしましょ!おばちゃんも、お腹ペコペコよ!」
「さあ、二人とも入って座ってくれ!」
マクリール夫妻はフレデリカとリーシャをテーブルへ案内すると、ピザを温めるためにキッチンへと入っていった。
マオはヤモに抱っこされてクッションが載せられた椅子に座らせてもらう。
椅子は高さがあるため、小さなマオは一人で座れないからだ。
フレデリカとリーシャはテイクアウトしてきた料理をどんどんテーブルに並べていく。
テーブルは瞬く間に美味しそうな料理で埋め尽くされていった。
蒸しオルクシュリンプの柑橘和え。サモルの冷製ミモザパスタ。ごろごろトゥーナの串焼き。
ぶつ切りナロアとブロッコリーのハーブ塩マリネ。スピカフィッシュのカグヤ風カルパッチョ。
飲み物は、滅多に手に入らないブロッサムワインと
雪桃ジュース。
ヤモとマオ、二人とも視線は料理に釘付けになった。視覚からだけでも、ごちそうからは最高の美味が伝わってくる。
「これはうまそうだ」
「おいしそうです…」
今度はマオだけでなくヤモの腹の虫も空腹だと声を上げた。二人そろって、腹の虫ハーモニーだ。
マオとヤモの正直な胃袋反応に、フレデリカとリーシャは笑いを堪えながらも料理のセッティングを終えた。
「買ってきたばかりだから、まだ出来立てで温かいよ」
「レストランさざなみで、テイクアウトしてきたんです」
レストランさざなみとは、王都で大人気のシーフードレストランだ。
値段は手頃ながらシーフードは新鮮、メニューは豊富、味は高級店を凌駕するほど抜群。
シーフード料理といえばさざなみと言われるほどの名店なのである。




