28.ごちそうとともに
28.ごちそうとともに
「あら?どなたかしら…」
「ああ、それなら多分、あの二人だな」
対応しようとしたジーナを止め、ヤモは扉を開けに行く。ノック音の主には見当がついていた。
扉を開けると、そこにいたのはやはり。
「こんばんは、ヤモ、マオ。マクリールご夫妻、お久しぶりです」
「こんばんは、ヤモさんマオさん!コンラッドさん、ジーナさん今日はありがとうございました!」
フレデリカとリーシャだった。二人とも両手いっぱいに紙袋を抱えている。
フレデリカとリーシャの姿に、コンラッドとジーナが歓迎の声を上げた。
「おお!フレデリカ、リーシャ!」
「二人とも、いらっしゃい!」
「ヤモさんをお借りしたお礼に伺いました!」
「この通り、手土産も」
リーシャとフレデリカが持っていた紙袋を少しだけ上に持ち上げる。
その拍子に食欲をそそるかぐわしい香りが漂ってきた。紙袋からはボトルの頭ものぞいている。
「まあ!こんなにたくさん、ありがとう!何だか悪いわね」
「ふふ、私とリーシャの気持ちです。それに」
フレデリカは店内を覗き込み、マオに向かってウィンクをした。
「マオの歓迎会も兼ねようかと」
「マオさんの好きそうなもの、いっぱい買ってきましたよ」
「わあ!フレデリカおねえちゃん、リーシャおねえちゃんありがとうございます!」
椅子から、ぴょんっと降りたマオが、てちてちと二人に駆け寄る。
漂う良い香りに反応したマオは、鼻をくむくむさせてからヤモを見上げた。
「ヤモおねえちゃん、おいしいにおいがしますね」
そう言ったマオの腹が、キュルルッと空腹コールを鳴らす。
みんなの視線がマオに注目すると、マオはもじもじと腹を押さえて照れ笑いを浮かべた。




