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24.お金は受け取れない

24.お金は受け取れない


ヤモもマクリール夫妻もぎょっとした。金貨も銀貨も、簡単に得られる代物ではないからだ。


ヤモでさえ危険種討伐依頼や大型魔物討伐依頼をこなさなければ稼げない。

「ヤモおねえちゃん、コンラッドおじちゃん、ジーナおばちゃん。このおかねをうけとってください、マオのおねがいをかなえてくれたおれいとかまどさんにおせわになるおれいです」

マオは巾着袋をヤモとマクリール夫妻に差し出した。


ポカンとしていた三人は我に返って顔を見合わせた。驚きを抑えながらジーナが、代表してマオに聞く。

「マオちゃん、このお金はどうしたの?」

「きんかはソフィおばあちゃんがマオにのこしてくれた、いさんなんです。ぎんかは、マオがおうとにいくまえに、コルトむらのみんながせんべつにくれました」

ソフィからの遺産とコルト村の村人たちからの餞別。

マオの答えにヤモとマクリール夫妻はハッと息を呑んだ。少しの沈黙の後、ジーナがグスッと鼻をすすった。


「ソフィさんと、コルト村のみなさんがマオちゃんのために貯めてくれていたのね」

優しく微笑むジーナの目は涙ぐんでいた。隣ではコンラッドも目頭を押さえて、肩を震わせながら嗚咽を堪えている。


ヤモはそっと目を閉じた。微かに目の奥にじわりと熱が広がる。まぶたの裏で目が潤んでいるのが分かった。

マオを遺してこの世を去らなければならなかったソフィの気持ちはいかばかりだったか。


病に伏しながらもマオのことが心の底から心配だっただろう、遺して死にたくなかったはずだ。

この金貨は、自分がいなくなってもマオが生きていけるように、ソフィが懸命に貯めてきたものだ。


ソフィからマオを託されたコルト村の村人たちも同様に。

願いを成し遂げるために旅立つマオが、これから先も困らず生きていけるようにと銀貨を集めて餞別として渡したのだ。


堪えきれなかった涙を流しながらジーナが首を振る。

「マオちゃん、おばちゃんたちはこのお金は受け取れないわ」

ジーナに続いて、ヤモとコンラッドも同意した。

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