21.初仕事はおあずけ
21.初仕事はおあずけ
「仕事はまだ依頼が来ていないからおあずけだ。今から行くのは、私が世話になっている場所だよ」
「ヤモおねえちゃんのおうちですか?」
「そうだ。仕事は、ギルドから依頼募集をしてもらう。依頼が来るまで待っていような?」
「はい、ヤモおねえちゃん!」
マオは素直に頷いた。気付けばおねえちゃん呼びもなじんでいる気がする。
ヤモも、ヤモおねえちゃんと呼ばれるのはやぶさかではない。
「フレデリカ、リーシャ。依頼募集の方はよろしく頼んだ」
「分かった。今日にでも依頼募集をかけておくよ」
「おまかせください!」
二人とも笑顔で答えてくれる。頼もしい限りだ。
フレデリカとリーシャに礼を言い、部屋を出ようとしたヤモは足を止めた。
ヤモの隣をちょこちょこと追随しようとしたマオも、つられて足を止める。
「ヤモおねえちゃん?どうしました?」
不思議そうにヤモを見上げてくるマオ。双眸をくりくりさせて尻尾をゆらゆらさせている。
きょとりとしているマオをヤモを眼下に見て考えた。
当たり前だが、マオはちんまりとしている。マオの身長は、ヤモの膝あたりにも満たないし足の長さもヤモの方が倍もある。
やや思案した後に、ヤモはマオを軽々と持ち上げて自分の肩に乗せた。
ヤモの肩に小さなマオはすんなりとおさまる。
「わぁぁ…!」
「これから人混みを歩くとなると、この方が安全だからな」
「すごいです!マオ、おおきくなったみたいです!」
「こら、バタバタするな。危ないじゃないか」
嬉しそうに足をパタパタと動かすマオを、ヤモは苦笑気味に落ち着かせる。
無邪気にはしゃいでいるマオの様子にフレデリカもリーシャも笑みを禁じ得ない。




