16.ソフィ・アストリッド
16.ソフィ・アストリッド
「ソフィおばあちゃんをおみおくりしたあと、むらのみんなからむらにおうちをつくるから、いっしょにくらそうっていわれました。でも、マオかなえたいことがあったからむらのみんなにいっぱいおねがいして、カトルおにいちゃんにおうとまでつれていってもらったんです」
カトルおにいちゃんとは、マオを冒険者ギルドまで送ってくれた村人のことか。
「冒険者になるためにだな」
「はい!マオ、ソフィおばあちゃんみたいなリエゾンさんになりたいんです!」
「リエゾン…!?」
ここで、話を聞いていたヤモはぎょっとした。「リエゾンのソフィ」に心当たりがあったからだ。
ソフィという名前だけならばヤモは気付かなかったが、「リエゾン」というワードが加わると話は変わってくる。
リィンたちに視線を走らせると、みんな頷いた。
「マオ、おばあちゃんのフルネームを教えてくれるか?」
「ソフィおばあちゃんのおなまえですか?ソフィおばあちゃんは、ソフィ・アストリッドっていいます」
「ソフィ・アストリッド…」
やはり、そうだ。ヤモは確信した。
「ヤモおねえちゃんもソフィおばあちゃんのことしっているのですね?リィンおにいちゃんたちもしっていましたよ!」
マオは顔を輝かせてヤモを見上げる。純粋に、尊敬するソフィを知ってもらえているのが嬉しそうだ。
「ああ、知っている。冒険者ならば、知らない者はいないはずだ。実際に会ったことはないが、素晴らしいリエゾンだったと聞いている」
ソフィ・アストリッド。伝説のリエゾンとして名を馳せた女性だ。
ーリエゾンとは、行方不明者および遺品の捜索を生業にする職業である。しかし、他の職業に比べて知名度も低く職業に選択する者はいない。
そんな中で、ソフィ・アストリッドはステラ大陸では唯一のリエゾンだった。
ギルドには所属せずに個人で仕事を請け負い、行方不明者や遺品を探し、行方不明者家族と遺族に寄り添ったリエゾンだったという。
風の噂で引退した後、どこかの地方に隠居したと聞いていたが、まさかノルンの森でマオと暮らしていたとは思わなかった。




