131.ニック・ヨハンソン法
131.ニック・ヨハンソン法
ヤモがレオンハルト邸で目覚めてから三週間。
オリバーの言っていた通り、禁足地保護法の撤廃が可決され新たな法が制定、施行された。
その法は、若くして命を散らした少年の名を冠し、『ニック・ヨハンソン法』と名付けられた。
内容は、禁足地への立ち入りは冒険者ギルド所属の上級冒険者・上級冒険者パーティーの立ち入り、初級冒険者・中級冒険者においては、上級冒険者・上級冒険者パーティー同伴による立ち入りの場合に限り許諾する。
尚、一般民の立ち入りは厳に禁ずる。
ただし、一般民が誤って禁足地へ立ち入ってしまった場合は人命救助のために上級冒険者・上級冒険者パーティーの派遣を許諾する。
というものである。
エウロス公爵家は最後まで強硬に反対の意を示していたが、最終的にはラミア洞窟の鉱山から得られる利益と多数の賛成、シリウス・ペンドラゴン国王の決定によりエウロス公爵家は反対を翻した。
結果、ニック・ヨハンソン法は制定ならびに速やかなる施行が実現。
施行されたことにより、ラミア洞窟最奥にて発見された犠牲者達の白骨遺体はようやく回収されたのだった。
もちろん、最後の犠牲者・ニック・ヨハンソンも。
そして、シエルを筆頭に冒険者ギルド所属の上級魔法師や宮廷魔法師により、犠牲者たちの遺骨を使用した復元魔法術式―マジックエンバーミングが施され、ほとんどの遺体は遺族や子孫の元に帰ることが出来た。
残念ながら身元が不明な者や引き取り手がいない犠牲者たちもいたが、その者たちは国によって手厚く合同墓地に埋葬されている。
ヤモの身体も順調に回復し、問題なく動けるようになった。
若干、水中の中にいるようななまっているような感覚はあるが仕事を再開すれば元に戻るレベルなため支障はなさそうだ。
法が施行されたおかげで、エウロス公爵家からの身柄引き渡し要求も取り下げられたため、ヤモとマオははれてマクリール夫妻が待つキッチン・かまどへ帰れることになった。
今日は、お世話になったレオンハルト邸を後にする日である。




