112.共闘
112.共闘
ヤモは目を閉じて小さく息を吸い吐き出した。
マオの言葉が眼差しが全身に沁み入ってめぐる。
焦燥感が早鐘を打たせていた鼓動が嘘のように鎮まっていく。
そうだ。マオの聴覚と嗅覚、触覚はバジリスクなんぞには負けない。
そのことはヤモが一番よく分かっている。
ヤモはマオを見つめ返し、迷いのない笑みを返す。
「分かった。マオの命は私に預けてくれ。そして、私の命はマオに預ける。一緒に戦うぞ、相棒」
「はい、ヤモおねえちゃん!」
ヤモとマオはお互いの拳を突き合わせて笑顔で頷いた。
「マオ、いつものように肩の上だと振り落とされる可能性がある。肩車をするからしっかり掴まっているんだぞ」
「はい!」
ヤモはマオを軽々抱き上げると、肩車をさせた。いささか不格好な共闘スタイルだが、これが一番安全なのだ。
マオは言われた通りにしっかりとヤモにしがみつく。
ヤモとマオは、戦闘への最終確認のためにバジリスクの様子を伺った。
「マオ、バジリスクの頭の上に結晶体があるのが見えるな?あれを破壊すればバジリスクを倒せるはずだ」
「あのピカピカがにょろにょろのじゃくてんなのですね」
バジリスクは悠然と新たな鉱石を貪り食っている。
ヤモとマオの存在が未だに気付かれていないのは幸運だ。
ヤモとマオは目を閉じる。
あっという間に視界は心もとない漆黒に閉ざされていった。




