105.ラミア洞窟
105.ラミア洞窟
無事に迎えた朝。
ヤモとマオは朝食の干し肉サンドを食べ終えると水筒に水を補充してから、ラミア洞窟へと出発した。
しっかり身体を休めたため体調も気力も万全だ。
シラズの森を抜けて鉱山に入りラミア洞窟までは一時間半。
休息と昼食をはさみながら順調に歩みをを進めていると、視界が開けて目の前に手つかずの鉱石で溢れるんばかりに飛び込んでくる。
ヤモとマオはラミア洞窟の入り口へと辿り着いた。
陽の光を浴びる鉱山とは一線を画す、ぽっかりと大きな入り口を剥き出しにしている光景は洞窟そのものが不気味な魔物の口腔に見える。
洞窟内は一筋の光明さえ拒む暗黒に覆われていた。
「これがラミア洞窟か…」
「ヤモおねえちゃん…ここ、ちょっぴりこわいにおいがします…」
「怖い臭いがするのか」
「はい、おはながぎゅーってなります」
ヤモには分からない臭いを嗅ぎ取ったマオは全身の毛をわずかにふくらませて身をすくめている。
マオの言う怖い臭い。
最奥に潜む正体不明の魔物がヤモとマオを待ち構えている証拠だ。
ヤモは小さく息を吸い吐き出す。微かに冷えていた肝に熱が戻ってくる。
肩の上ではマオもヤモの真似をして小さく息を吸い吐き出す。
「マオ、行くぞ。絶対に私から離れるな」
「はい、ヤモおねえちゃん!」
ヤモとマオは顔を見合わせて頷き合うと、意を決してラミア洞窟内部へと足を踏み入れたのだった。




