101.ヤモの手料理
101.ヤモの手料理
小さな火種は乾いた枝に火をまとわせて、パチパチと燃え始める。
ヤモの隣で興味津々に見ていたマオは、感嘆の声を上げた。
ヤモはウエストポーチから取り出したパンを温め、
干し肉を軽く炙る。
劇的に柔らかくなるわけではないが、食べやすくなるはずだ。
とんでもないダークマターを生み出さないように、ヤモは慎重に調理をした結果、パンと干し肉が温まった。
温めたからか固いパンは微かに柔らかく、干し肉はからは香ばしい匂いが漂ってくる。
「うん、いい塩梅だ」
我ながら自画自賛したくなる仕上がりだった。
今日のランチ、干し肉サンドの完成だ。デザートはミックスドライフルーツ。
マクリール夫妻の料理と比べるとなんとも味気ない朝食兼昼食だ。
少しでも見栄えを良くするために木皿に載せる。
「出来たぞ、マオ。干し肉サンドとデザートのミックスフルーツだ」
「わあ!ヤモおねえちゃん、ありがとうございます!おいしそうです」
目を輝かせて喜ぶマオの前にヤモはドキドキしながら皿を置いた。
気になるのはマオの反応だ。
野営慣れしているヤモにとってこの食事はどうということはないが、野営が初めてのマオが気に入ってくれるかどうか心配だった。
「いただきます!」
マオは、あーんと口を開けて干し肉サンドを一口頬張る。
自らも干し肉サンドを口に運びながら、ヤモはマオの様子を伺った。
もぐもぐと咀嚼し飲みこんだマオがドギマギしていたヤモを見上げる。
「ど、どうだ、マオ?おいしくなかったか…?」
芳しくない反応を想定していたヤモは、おっかなびくりしながらマオに問いかける。
やはり自分には料理の才覚はないのだなとヤモは悲観しかけた。
しかし、その悲観を塗り替えたのはマオの弾けるような笑顔だった。
「ヤモおねえちゃん!ほしにくサンド、とってもおいしいです!」
予想外のリアクションを受けてポカンとしているヤモに構わず、マオはどんどん干し肉サンドを食べ進めていく。




