表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢ですが、婚約を破棄されて隣国に追放されたので、祖国の中枢システムを買収してクラウド移管させて利用料をぼったくりますわ!おほほほほ!  作者: 三咲 美月
空を目指しますの、おほほほほ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/80

第六十話「犬の格闘ですわ、おほほほほ」

その日の晩、フサは昔の記憶の夢を見た。


小金房子は田んぼの中を歩いている。


常に持たされている水筒と防空頭巾は嵩張って邪魔で仕方ない。

モンペが擦り切れてきた。

「当て布しとかなきゃ、おいねぇな…」


のどかな田園風景の中に、異様なコンクリート製のかまくらがある。

田んぼの畦道は、農道というには異様に踏み固められている。

コンクリートのかまくらは掩体壕(えんたいごう)というらしい。

敵の機銃掃射で壊されないように飛行機をしまって置く場所と二番目の兄が言っていた。

畦道は滑走路として使っているせいで踏み固められている。

まだ3月上旬なので、田植えはされていないが、春先から初夏の農家にとっては邪魔な存在だった。


警報のサイレンが鳴った。

防空壕に移動する。

今日、我が家は燃やされてしまうのだろうか…?


………数時間後、何も攻撃された気配がないことに疑問を持って外に出た。

夜だというのに、西の空が真っ赤になっているのがはっきり見えた。

それが、遥か遠く離れた帝都が火の海に包まれている色だと数日後に知った…。


そこで目が覚めた。

ハルカが「宣戦布告」という言葉を用いたのが昔の記憶を呼び起こしたらしい。

軍事演習ということは、輸送用と哨戒用に加えて、『戦闘用』も作るのだろうか…。

昔の記憶のあの悪夢が、この世界で再来してしまうのではないか?


どうにも頭の中でよくない考えが渦巻いて寝付けなくなり、厨房で水を飲もうと部屋を出るとハルカの部屋が明るいことに気がつく。

ちょっとだけ明かりが漏れているとかいう状況ではない。


フサはハルカの部屋の隣の客用寝室を使うよう言われていた。

相変わらず使用人への待遇がバグっていた。

邪魔しないようにこっそり通ろうとしたが…。


アカリの声もする。

部屋を覗くと、ハルカが拳銃を持ってアカリを狙っている。


「準備はよろしくて?おほほほほ」

「いつでも良いですわ」


ハルカが引き金を引くと、少し離れたコンピュータの画面に「HIT」と大きく表示され、「ピー」という音が鳴った。

「HIT」…『敵国の言葉』ではあるが、このくらいであれば一応知っている。

当たったということか。


「撃墜ですわ、おほほほほ」

「やられましたの」

どうやら、弾を使わず訓練するための機械らしい。


「あ、フサさん、見てたんですの?」

アカリに見つかった。

「暗い顔をしていますわね…。

確かに戦争ではありますが、『よりいいものを作るための競争』ですのよ。

わたくしは、パチモンで度を越して人の努力を横取りする魂胆が許せないのですわ。」


「…ハルカお嬢様がそういう人だというのは、知っています…。

それに国同士が戦争するのも仕方のないことだと思います。

ですが、そのための道具を、今戦争中ではないのに、必要に迫られる状況ではないのに、作る必要があるのでしょうか…」


「『Si vis pacem, para bellum(平和を望むなら、戦いに備えよ)』ですわ、おほほほほ」

おいねぇ

方言。「よくない」「ダメだ」のような意味。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ