第三十一話「拷問されていますわ、おほほほほ」
出馬を断った。
監禁された。
3日食料が与えられていない。
目隠しされてはいるが、音の反響具合からおそらく牢獄であろう。
そして耳元で交代で、ほぼ無休、人員交代までして「頼むから出馬してくれ」と囁いてくる。
寝落ちしそうになると体を揺さぶられて大声で「出馬してくれ」と叫ばれる。
「なんですの、これは。
普通政敵に出馬するなと言ってやることではないですの。」
「それに、わたくし昔3日間ろくに寝ず食わず『早く復旧しろ』と怒鳴られ続けてたのが日常茶飯でしたのよ。
このくらい大したことありませんわ」
「…そうか、ならばこれでどうだ?」
目隠しを外された。
パネルに書いてある文字を見せられる。
アプリシア語だが、半角と全角が混ざっている。
「うわ、やめてくださいまし、うわぁぁーーーー……」
………!
そこで世界が変わった。
気がつくと潰して敷いた厚紙製の箱で横になっていた。
(…さっきまでの拷問は夢でしたのね…)
半角全角が混ざった文章を読ませるなんて、非人道的で最悪な拷問ではないか。
なんという悪夢か。
目が覚めても悪夢は続いていた。
ハルカが寝ている傍でマリアがひたすら土下座で頼み込んでいた。
(…一部は夢ではなかったのですわ…)
道路整備、上下水道整備、製薬工場の建設、検体入手、ワクチンの生成、それとアジャイリア側の空港の建設…。
いろいろやることが多いので現実問題無理なのだが。
「ハルカ嬢、それは整備を進めれば進めるほど、支持率が上がってしまうのではなくて?
…頭が痛いですわ」
「支持率99.99%に達しそうですな…。
胃が痛い」
「まともな民主主義でそんなSLAみたいな支持率、あり得ないですわ」




