第三話「形式上は留学ですわ、おほほほほ」
侮辱罪、不敬罪で追放刑は罪状と量刑が釣り合っていなさすぎる。
そして追放先が国外とはおかしい。
国外で犯罪を犯した者はその国で裁かれるか強制送還されるのが常識ではないか?
わざわざ犯罪者を国外に送り出してどうする?
ツッコミだけで丸一日潰れそうだ。
とは言え、あの場で啖呵を切ってしまった以上、国外にしばらく退避しておくべきではあるだろう。
そして、その国は、王太子が暴走した時にある程度干渉できるよう、往来が自由な国交があり友好的な国が望ましい。
「父上、わたくしクラウディアに留学しますわ。」
「…今回の件、国王陛下も胃潰瘍で入院されるほど気にされていた。
王太子の言うことは気にする必要はない。
わざわざ言われた通りにする必要はなかろう?」
「ですが父上、わたくしはいい機会だと思っておりますの」
「何のだ?」
「彼の国で、『すべてを雲の上に置く技術』を学び、帰国したら私の趣旨で作ったモノを全て『雲の上に置く』のを実践したいのです。
そうすれば城の者たちの仕事も楽になりますわ」
「…お前が趣味で作った数々のアレらを『雲の上』に?
よくわからんが、そこまで考えてるから好きにしなさい。」
そして、国王陛下が胃潰瘍で入院中の病院へ面会に行き、留学のことを報告することにした。
…が、そこでヨシチェックに会ってしまった。
「謹慎中と聞いておりましてよ、殿下。」
「その禁止した本人が入院しているから面会に来ただけだ。
そう言う状況だからヨシ!」
「…。
今のわたくしにはもう何も言う権利はありませんものね…。」
「…じゃないな。なんと言うか、すまなかった。
自分の発言がどう言う影響を与えるか、もう少し考えるべきだったと思う」
(…何か悪いものでも召し上がられたのかしら?)
何か言ってやろうと思うが、素直に謝られたのが逆に気持ち悪すぎて頭が混乱して、何を言うべきかわからなくなった。
気まずい無言が数分。
「…あ、そうでしたわ殿下、殿下のお望み通りわたくし来月クラウディア連邦に追放されますの」
「……は?」
「ですが、ビザが発給されるまでこの国にいることをどうかお許しくださいまし」
「………。」
かくして、わたくしは留学することにしましたの、おほほほほ。




