第二十四話「世界は繋がるのですわ、おほほほほ」
軍艦として経済性を無視して出力に極振りしたエンジンの足で、誤発注空母は海上を突き進み、先に出航した測量船、ケーブル敷設船とランデブーした。
ケーブルの追加部材も誤発注空母に積み込んであり、本土との往復なしで一発で敷設することになった。
誤発注空母のコンテナ積載は異常だった。
どう見ても海上の貨物港だった。
強風の日は、本来風を受けるものがないはずの空母なのにやたらと風を受け、激しく揺れた。
誤発注の空母であること、コンテナの積み方が異常で揺れまくることから、この艦の名前が「空母・やらかし」と呼ばれるようになっていた。
途中で経由した、航海上重要な島には、光合成魔道具を使って海底ケーブル中継所と灯台を突貫で作った。
こうして数ヶ月でケーブル敷設が完了した。
「さて、新たな市場でようかんのマーケティングですわ、おほほほほ」
「先に外交ですぞ…胃が痛い」
「ヒトもモノも往来する必要があるので、やはり空を飛ぶ必要があるな…」
「うっ………嫌ですの。
技術面でも素材面でもコスト面でも問題はクリアしていますけど、絶対に嫌ですのよ…飛行魔道具は…お…ほほ…ほほ!?」
「理由は?」
「……わたくし、高所恐怖症ですの…」
ウォーターフォーリアでは、ナールハヤの遊牧騎馬民族の侵入阻止のため、1000年以上前から長大な城壁が建設されていた。
しかし、歴史的には遊牧騎馬民族はこれを何度か超えて征服王朝が作られた経緯がある。
今回もまた同様に城壁は乗り越えてくる可能性が高いが、今回は征服王朝では済まない可能性が高い。
そしてアジャイリアとの国境はこれと言って障害物がない。
「経済発展が、侵攻の抑止力になれば良いが…」
「風邪をひかない最大の予防策は、自分が免疫力をつけることですのよ、おほほほほ…。」
「そう簡単なモノですかな…胃が痛い」
「ハルカ嬢、お願いですから大人しくしていてくださいまし」
「確約できませんわね、おほほほほ」




