第十六話「久々の実家ですわ、おほほほほ」
カップ麺を啜りながらハルカが言う。
「塩分は摂りすぎなのですわ…」
「それ、今おっしゃることですの?」
「最近、お腹がぷにぷにになってきましたの、おほほほほ」
「…えっ!?」
「このままでは政略結婚の結果摂関政治で時の国主を凌ぐ権力を持った挙句『この世界って俺のものじゃね?』という下品な歌を読んで国内初の糖尿病患者になった歴史上の人物みたいになってしまいますわね、昼夜問わず水を飲んでいたり、同じ部屋に人が居られないほど体温が熱かったと記録がありますわ、おほほほ」
「あずき、やめなさいな…。」
数年ぶりに里帰りしたハルカは、実家でゆっくり…するわけがなかった。
「属人化は危険ですの、おほほほほ」
と言って、とある場所にアカリを連れていくべく、個人所有型魔道馬車(ただし馬はいない)に乗り込んだ。
「あら…?
ちょっと執事、燃料の、ランプついていますわよ!」
「すみません、失礼しました、今すぐ携行缶で…」
「いや、待ってくださいまし、ハルカ嬢。
ご自身で運転なさるのです?」
ハルカの運転で魔道馬車(馬はいない)が海の近くの工場のように建物に着いた。
「ここは…?」
「魔力発電所ですのよ、おほほほほ」
「確かに…以前から発電所の仕組みは気になっておりましたわ…」
中に入る。
「この、山でとれる黒い『炎の魔石』を燃やして、水を温めて蒸気で魔力のみなもとを回しますのよ、おほほほほ」
「…『石炭火力発電』ですわよね!?」
「あちらは、『特殊な魔石を連鎖反応させる方式』の実験棟ですのよ、おほほほほ」
「…『原子力発電』…趣味で作るものではありませんわ!」




