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第十四話「里帰りですわ、おほほほほ」

ライセンス違約金徴収兼私刑執行ツアーのため、数年ぶりにアプリシア国内に足を踏み入れていたハルカは、やりたいことを全てやった後、久々に王都・バッチシティにいた。


「お土産ですの、おほほほほ」

ベニー家王都邸の使用人たちに怪しげな菓子が振る舞われた。

一口食べたメイドは「口の中から甘さが脳を殴りつけてくる感覚を覚えた」という。

「やはり緑茶が欲しいですわね、おほほほほ…」


王宮に立ち寄ったハルカは同じモノを国王に進呈した。

「ようかんとは少し違うな…」

「あずきの粒が…」

国王と王太子は形容しがたい味と食感に困惑している。

「薄い皮がミソですかな?」

宰相は別視点からコメントする。

「…まさか数年ぶりにハルカ嬢が戻ってきたと思ったら、手土産に『きんつば』とか、想定外すぎますわ…」

「あずきは正義ですのよ、おほほほほ」


ハルカが里帰りしたのにはもう一つ目的があった。

「明日、実家に顔を出そうと思っておりますの。

アカリ嬢もご一緒にいかがでして?」

「…またとんでもないモノを作ったのですね…。

いいですわ、被験者はわたしの役目ですわ」


二人は時速210キロという、王国内では桁違いの速度で走る魔道馬車(ただし馬はいない)の窓から、外の景色を眺めていた。

なだらかな丘陵と平地が混ざっていて、小麦が作付されている。

いわゆる穀倉地帯を通過していた。

「小麦…ですわね」

「ええ、でも収穫倍率は低いですわね。

品種改良はした方がいいと思いますの」

「てっきり米を育てるとか言うのだと思いましたのに」

「それは、この辺りより南部のほうが気候的に適していますわ。

なのでポインター領に水田を作らせましたのよ。

収穫倍率的に私腹を肥やしたいポインター子爵とは相性が良いと思いますわ」

そんな会話をしているうちに魔道馬車はベニー領内に入った。

中心地に近づくにつれ、建物が増える。

しかし、民家ではなく、工場だった。


「つきましたわ」

そう言ってハルカが指を指した先はベニー邸のすぐ傍にある食品工場だった。

ガラス越しの見学エリアから見てすぐにアカリは何の工場かを察した。

「……悪魔、ですわね」

「……ええ、そうですわね。

でもある意味では最強の食べ物でもありますわよ?おほほほほ」

「……お湯を入れて3分待つ食品が生まれてしまったのですわね…。」

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