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人は痛い思いをしないと学ばないのか  作者: 妖精さん


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第29話 8/25 ダンジョンの製作者

どうも無職です。違った山本です。


思わず皮肉も言いたくなるくらいやることがなくて暇。


今のところ口座は使えるけど、いつ嫌がらせで口座凍結とかしてこないとも限らないから現金を下ろしておいた。


そしてやることがなくなった。


本当は警察の厄介になっているんだが、めんどいからすぐに空間転移で家に帰ってきている。


結界(10匹のテイムモンスターの反撃許可)のおかげで警察もインターホンも鳴らさず帰っていくからね。平然とやってくるのは織田さんくらいかな。お茶飲んで帰るだけだけど。


「いやいや、『出頭するように』って伝えてますよ。お茶飲んで帰るだけなんて言いがかりはやめてください。」


「うちに来て5秒しか仕事してないじゃないですか。」


「上の連中が空間転移と言う現実見ないせいです。」


織田さんも苦労してるね。(苦労の原因)


あれから何度か襲撃はあったけどその都度四肢落としか首から下を生き埋めにしている。今のところ殺してはいない。学ばない奴らだ。


テレビでは俺の話題は出なくなっている。そうだよな、警察で捕まっているかと思いきや普通に家にいます、とか報道できないよな。


そうそう、ダンジョンコアを制圧したことで、ダンジョン内のルールを変えることができた。以前は氾濫しないように設定したが、それ以外に一般人はダンジョンに入れない設定だったが、俺の許可があればほかの人でもダンジョンに入れるように改めて設定した。


ダンジョンコアは現在一層目にいるから、外部の人が入ることに抵抗した。それはそれは抵抗した。猫ちゃんに転がされても首を縦に振らない。しまいには井戸ダンジョン入り口にすっぽりとはまり転がされないように抵抗しながら籠城し始めた。


ダンジョンコアにとっては最大の弱点だからしょうがない。猫ちゃんの爪とぎにも、犬ちゃんのよだれ攻撃にも抵抗し続けていたので、あきらめて井戸の深層6666階に戻ってもらうことにした。が、その直後ダンジョンコアの端末を一層目に置くことができると判明。端末はダンジョンコアを30cmの大きさにしたものだった。これでコアは深層、ダンジョンコアの操作は一層目でできることになる。


「おいお前、ふざけてんのか?なんで知ってること話さないんだ?ダンジョンマスターに逆らっていいと思ってんのか?」


「待ってください、本当に、本当に知らなかったんです!普通ダンジョンコアを遠隔で操作するなんてこと想定されていないんです!ダンジョンボスと一緒にいるか体内に入れておくことが基本想定なんですよ!」


ほんの少しだけ凄んでみると、なんか必死に言い訳し始めるダンジョンコア。人間味があるなぁ。


「なんで想定されていないんだよ。誰が想定しているんだよ。」


「それは…ーーーデータエラー。この情報は開示できません。ーーー」


ピカピカ光りながら言い訳していたダンジョンコアだが、急に機械音声のように話し点滅しなくなった。


ダンジョンを作った奴がいる?何のために?その情報はコアにあるのか?


「ダンジョンは自然発生じゃなくて、誰かに作られたものなのか?」


「ーーーデータエラー。この情報は開示できません。ーーー」


俺の独り言にも反応している。


「わかった、わかった。もうこの話題は終わりにするから。」


「ーーーダンジョンコア再起動します。ーーーあれ?ここは深層(どこ)?私はダンジョンコア(だれ)?」


古典的な記憶喪失みたいなマネをしているダンジョンコア。まあいい。とりあえずダンジョン製作者は放っておこう。


「意識が現実に戻ったか。ダンジョンコア。」


「現実?マスターが何を言っているのかちょっとわからないですね。」


うん、いつもの調子に戻ったな。


「とりあえずお前が深層にいるなら、ここの一層目に俺以外の人間を入れても問題ないな。」


「はい、私の安全が確保されているなら何をしようが問題ありません。」


「自己保身極まる発言ありがとう。」


もういいこいつは何も知らないか、知らされていないのだろう。


ダンジョンに意識を戻す。今までのルールだと、


『①このダンジョンでは、死ぬか特定の道具を使わないと出られない。②このダンジョン内で死ぬと、持っていた装備を失いダンジョンの第一層目で生き返る。③このダンジョンに挑めるのは一日一回まで。④このダンジョンを攻略している時、ダンジョン外の時間は止まっている。⑤このダンジョンに365日間連続で挑戦者が現れないとき、このダンジョンの中のモンスターは外に出ていく。』


となっていたが、制圧した時に⑤の氾濫を禁止。追加で⑥一般人のダンジョンへの侵入禁止としたところを、⑥改ダンジョンマスターの許可を得たもののみ侵入可能。に変更する。


これでいざというときに母をダンジョン内に避難させることができる。




そういえば、阿武さんや合津さんがご近所に越してきた。


「山本君の近くにいれば氾濫が起きても安全だからね。」


「わりいな、山本君。世話になるぜ。」


俺が四肢切り落とししたりマスコミが大挙して押し寄せていたからか、何人かあまり知らない近所の人が引っ越したみたいでその空き家に入ったみたいだ。


昔なじみの人たちはなぜか俺を理解してくれているのが多いらしい。どういうこと?『昔から人を切ると思ってましたから』とかインタビューされてはいないと思うが。


他には奥羽さん、奥飛騨さん、信濃さんのベテラン議員が3人そろって近所にやってきた。阿武さん、合津さんに習ってみんな議員辞めてきたとのこと。潔いね。


ちょうどダンジョンコア関連の報告もあったのでうちに上がってもらう。ついでに押し入れダンジョンも説明することにした。


阿武さんたち元議員をダンジョン一層目に入れて詳細を説明。それと同時にダンジョンコアを制圧することでダンジョンを支配することができることも説明する。


「この情報が…もっと早くわかっていれば…」


見事なorz姿勢をする阿武さん。合津さんと奥羽さんが慰めている。


奥飛騨さんはダンジョンに初めて入ったとのこと、周りをきょろきょろ見渡しては質問してきている。あ、その井戸は近づかないでねー。


信濃さんは探索者だ。何となくわかる。それに俺のテイムモンスター(30cmバージョン、かわいい)を一目見ただけで実力を察した様子。


「なるほど、阿武総理の言っていたことは真実だったのですね。私ごときではまともに戦える相手ではないモンスター。しかもそれが10体。」


「信濃君、元(・)総理だ。気を付けてくれたまえ。」


「今更気にするところですか?」


orz姿勢のままツッコミを入れる阿武さん。ちょっと笑える。


「なるほど、つまりおおよそあと半年か…それでダンジョンが氾濫するわけですね。」


奥飛騨さんはマイペースに確認している。


「信じてもらえますか?」


「ああ、信じるとも。ダンジョンマスターとしての能力はわからないが、こうしてダンジョンを抱えていて、探索者でもある信濃君が実力を認めるんだ。本当に君は今までこの国を守ってくれていたんだな。本当にありがとう…。」


そういうと俺に深く頭を下げる奥飛騨さん。それに奥羽さんと信濃さんも続く。


「そんないいですよ。頭を上げてください!」


「そうだぞ君たち。山本君はいい子だからな。頭を下げたらプレッシャーを感じてしまう。」


「そうそう、あんまり鯱(しゃちほこ)張ってると手足切り飛ばされるぜ。かっかっか!」


「切りませんけど!?」


阿武さんと合津さんがチャチャを入れる。思わず突っ込みながらも笑ってしまう。




世間のすべてが敵に回ったような気がしていた。


でも近所の人たちは俺を信じてくれている。


そして今信じてくれる人が増えた。


心が少し軽くなった気がした。




「じゃあ、皆さんうちのダンジョン試しに挑戦してみません?大丈夫死んでも生き返りますから!」


「いや山本君。君の発言のどこに大丈夫な要素があるのかね?」


「お前さん、ちいっとばかし世間からずれてねぇかい?」


ソンナコトナイヨー

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― 新着の感想 ―
ダンジョン製作者を答えられないなら、地球人類以上の知性を持った生命体or地球人類以上に高度な文明社会を構築している(orしていた)知性体は存在するか?存在するなら、今現在どこに居て何をやってる?辺りか…
出来る政治家は違いますね。日本一の安全地帯、山本家周辺が臨時政府とは妙案です。 な~に半年後には否が応でも政権奪還ですよ。雌伏の時は研鑽に充てましょう。 下劣な政治家と愚民は減りますが、荒廃した国土は…
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