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人は痛い思いをしないと学ばないのか  作者: 妖精さん


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第27話 5/2 『減らずのC倉庫』その2

SIDE:C倉庫の鑑定職人


昨日から鑑定職人が追加補充された。先月燈九総理が特装隊の拡大と対モンスター装備の増産を話していたからな。魔石需要が高まった結果だ。


今まで8人でやっていたこの部署にいきなり15人も追加で配置されるとは。名前覚えるのも一苦労だ。


この間新人に「お前にも後輩ができたな。」って話したら、「いきなり今までの部署全員より多い人数増えるとか意味わかりません!」とパニクってた。


単純に人手が増えるんだからいいじゃないか。


「あ、新人に手順説明するのは一つ前の先輩の仕事になるからよろしくな。」


「え?ちょっと待ってください先輩!15人もいるんですよ!全員?無理です無理無理。ってか僕に教えてくれたの先輩じゃないですか!間に4人もいますよ!だまされませんからね!」


この新人が入ってから半年。いきなり人員が3倍になるとは思いもしない。


それだけ魔石の必要性が上がってきたのだ。ぶっちゃけ今までなかったノルマができた。クソが。


追加の15人にしっかりと説明して研修を行っている暇はない。もう現場で説明していくことにした。


とはいえ、鑑定に対して魔力を使用するから一人で行える鑑定回数には限りがある。8人で一日一万個だった。これが23人になったからおよそ3万個鑑定できるだろうって?上の人間はバカなのかな!?


「人手が増えたから単純に生産量が増えるわけねーだろうが!」


「それはほんとそう。」


部長がさらに上司と電話で相談(怒鳴り合い)しているのを聞きながら淡々と仕事をこなす。


結局ノルマのしわ寄せが俺たちに来ることになる。魔力の回復にも限界はあるんだよ。無理して魔力を使いすぎると…


「先輩。最近腰が痛いっす。」


「ずっと下向いて鑑定しているからだ。後は魔力使用のペース配分だな。ちなみに俺は6年前にその道を通過済みだ。」


「どう対応したんですか?」


「アキラメロ」


体に影響が出るわけだ。こればっかりは自分の魔力量を把握しないといけないからな。数字化出来ればいいのに。


絶望した顔の後輩を見ながら黙々と仕事をこなす。ノルマ作った奴殴りたい。


「あ”あ”あ”~もう超腰痛いっす~。」


「中腰だからだよ。たまに腰を伸ばすんだ。若いからって無理するなよ。魔力の回復にも時間はかかるから。」


「ちょっとストレッチします~。」


腰を伸ばしたりそらせたりしている後輩をしり目に作業を進める。整体誘ってみるか。


「あ!なんだーもうすぐ昼休憩かと思ったらあの時計止まってるじゃないっすかー。」


ふと後輩が壁にかかった時計を見てつぶやく。本当だ、11時55分で止まっている。


腕時計を見ると11時30分だった。あと30分もあるのか。


「あと30分、もうちょっとだ。油断してミスるなよ。」


「了解っす~。」


ふにゃふにゃになりながら鑑定を再開する後輩。


ふと考える。




『あ(・)そ(・)こ(・)に(・)時(・)計(・)な(・)ん(・)か(・)あ(・)っ(・)た(・)か(・)?』




壁にかかった時計、以前あそこは魔石が積み重なっていなかったか?


もう一度時計を見る。思い出せない。あったような気がするし見えなかったような気もする。


3か月前に後輩と話していたことを思い出した。


『山本が言っていることが本当ならここの魔石も減ってくるんじゃないのかな。』


減っているのか?いないのか?わからない。


今まで気にしなかった。


でも今日気にしてしまった。



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