第8話
一か月以上後。
「ひゃっほー、給料入ったー!給料入ったぞー!ひひひ!」
ここの給料は月30万フレンカス。最高すぎる!
…
7月30日、午後5時。
デペンドラが私の家の前に立っていた。
新品の赤いTシャツには、蛍光に光るコブラの柄。
私は外に出て迎える。
「おい、どうよこれ?」
「はいはい、自慢したいのは分かった」
「なんだその反応!?」
「いや、服見たって言ってんの。で、今日は何の用?ただ服見せに来ただけ?」
「違ぇよ、火鍋食いに行おうぜ!」
「お、ちょっと待て、すぐ準備する!」
私は着替えを済ませ、火鍋を食べに向かった。
…
私たちが選んだのは、「東興万人来」というセントラル区で一番うまい火鍋屋。
ただし、この店は値段が強盗レベルで高いことでも有名だった。
店内は客でぎっしり埋まっていたが、幸い私たち用の席が一つだけ空いていた。
「よし、注文しろ!」
デペンドラがメニュー表を渡してくる。
そこには“百辣”という激辛火鍋があった。
しかもこいつ、辛いもの全然得意じゃない。
「んー……百辣鍋にしようぜ」
「はぁ!?正気か?私が辛いの苦手なの知ってるだろ!」
「まあ試してみろって。怖いのか?」
その瞬間、デペンドラの顔に「負けたくない」って表情が浮かぶ。
数秒後。
「よし!店主、百辣鍋一つ!」
…
「ズズズ……」
「うわっ、辛ぇ!辛すぎる!!店主!牛乳ある!?」
顔が真っ赤だ。舌まで出してるし、めちゃくちゃ面白い!
私はというと、かなり辛いのに普通に美味しく食べていた。
店主が牛乳を持ってくる。
デペンドラは瓶をそのまま掴み、一気飲みした。
店主が私に尋ねる。
「お客様も牛乳はいかがですか?」
「あ、いえ。大丈夫です、辛いの平気なんで!」
「かしこまりました」
…
私はスマホを取り出し、自撮りをする。
「ほら、こっち見て笑えー!」
「は?」
「カシャッ」
真っ赤な顔のデペンドラが、写真の中で強烈に浮かび上がった。
そして私は即座にネットへ投稿。
「おい!消せって!」
「いいじゃん、面白いし!」
「くっ……消せ!」
その時、デペンドラのスマホが鳴った。
彼は電話に出る。
「ボスのクリストだ。もしもし?」
二人はしばらく会話した。
「うん、分かった。今すぐ向かいます」
「プツッ」
「おい、何かあったのか?」
「店主呼んで会計しろ。ボスが会社にすぐ来いってさ!」
「はぁ!?やっと月末で休めると思ったのに!」
私たちは会計を済ませ、そのまま会社へ向かった。
…
午後7時、クリストのオフィス。
彼はパソコンで何か書類を作成しているようだった。
私たちが部屋に入る。
「お、やっと来たか!カフェニー、君って銃使えるんだろ?」
「あ、はい。そうですけど……なんでそんなこと聞くんです?」
「なんでって何だよ。二人に任務がある!」
そう言って彼は二枚の写真を差し出した。
大人の男と、13歳くらいの少年。
「この二人は、フロンティエール・シュド州支社長トーマス・スコットの息子だ。二人とも現地へ行って状況を調べ、この二人を連れ戻してこい」
「つまり……?」
「おそらく誘拐だ」
「なるほど」
フロンティエール・シュド州は、昔は人身売買事件で有名だった場所だ。
とはいえ、それももう十年以上前の話。
「状況に応じて自由に対処してくれ!」
「うん、了解!」
「よし、明日からすぐ動け!」
私たちは任務を受け取り、ドアの方へ下がる。
「あ、そうだ。忘れてた!」
「何ですか?」
彼は二枚のカードを渡してきた。
そこには懐中電灯――会社のロゴが描かれている。
「これも持っていけ」
「何に使うんです?」
「免死符みたいなもんだ。警察や支社の連中に会ったら、それを見せればいい!」
「おお……!」
…
こうして私たちは家に帰り、翌日の出発に備えた。
しかし、あの二枚のカード……そんなに権限強いのか?




