第12話
だが、その前に私たちは別の方法も試してみることにした。
……
しばらくして、時刻は午前1時。
気絶していた太った男が目を覚ました。
私たちは尋問を再開した。
三人の前に、それぞれ分厚い札束を放り投げる。
傷だらけの男が金の山を見て顔を上げた。
「……どういうつもりだ?」
私はひとまず無視し、太った男へ視線を向けた。
「話しなさい。望むなら、私たちの会社――プランタン・トーチがお前たちを雇うこともできる。金も名誉も、まともな仕事も手に入る。功績を立てれば、一地方を任される立場にだってなれるかもしれないわよ」
太った男はごくりと唾を飲み込んだ。
額には汗が滲み、札束を何度もちらちらと見ている。
明らかに心が揺れていた。
だが次の瞬間、彼は傷だらけの男へ目を向ける。
その顔色は一変した。
どうやら彼は、この男をひどく恐れているらしい。
私もそちらを見る。
傷だらけの男は太った男を睨みつけていた。
まるで殺気を放っているかのようだった。
「じゃあ……痩せたあんたはどう?」
痩せた男も札束に釘付けになっていた。
むしろ少し涎まで垂らしている。
その瞬間、私もデパンドラも驚いた。
傷だらけの男が怒鳴ったのだ。
「お前ら、こいつらの言うことなんか聞いてみろ!」
そして痩せた男の足を思い切り蹴りつけた。
太った男も痩せた男も顔面蒼白になり、震え始めた。
どうやら二人とも、この年老いた傷だらけの男を相当恐れているらしい。
……
結局、最後の手段を使うしかなかった。
「三人とも何も話さないのね? 分かった。じゃあ次のゲームよ。せいぜい楽しんでね」
そう言うと、デパンドラは大きな布切りバサミを取り出した。
チョキ、チョキ、チョキ――
傷だらけの男は私たちの意図を察したらしく、一気に顔色を失う。
「ま、待て……まさか……」
チョキ、チョキ、チョキ――
デパンドラは愉快そうな笑みを浮かべながら、ゆっくりと三人へ近づいていく。
「へへへ……さあ、吐くか? それとも……なぁ?」
三人とも必死にもがき始めた。
反射的に股間を足で隠そうとする。
それを見たデパンドラは言った。
「じゃあ、まずはデブからだな」
「や、やめてくれぇぇぇ! 頼む! 本当に頼むから! それだけはやめてくれ! 俺は宦官になりたくないんだぁぁぁぁ!!」
太った男は泣き叫んだ。
「だったら話せ。最後のチャンスだぞ」
太った男は黙り込む。
そしてゆっくりと傷だらけの男を見る。
傷だらけの男も恐怖と葛藤に満ちた表情をしていた。
さらに痩せた男を見ると、今にも泣き出しそうな顔で何度も頷いている。
まるで、
――もう話してくれ。
そう訴えているかのようだった。
するとデパンドラは追い打ちをかける。
「ずいぶん時間がかかるなぁ」
そう言いながら太った男のズボンへ手を伸ばした。
私は思わず後ろを向く。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
太った男の悲鳴が響いた。
その瞬間。
傷だらけの男が叫ぶ。
「待て! 二人には手を出すな! 分かった! 話す! 俺の負けだ!」
「へぇ~。最初からそうしてれば楽だったのにな?」
デパンドラは嘲笑するように言った。
……
こうして全てが明らかになった。
奴らは国境の検問所近くに『生産エリア』と呼ばれる拠点を持っていたのだ。
私たちは直ちにその情報を警察と仲間たちへ送信した。
そして、即座に行動を開始した。




