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火帝火戦隊ディーファイブ6

『火帝火戦隊ディーファイブ』6


・先生、新戦士と


 清史郎の話を聞き、マザーコンピュータの情報を大量に得られたディーファイブの五人。マザーコンピュータが何故人類削減計画を実行しようとしたのかを聞き出す事に成功した。

 人類がいる事で生態系が崩れ、様々な星にも移住している昨今、その土地すらも環境を破壊して私利私欲の為に過ごしている。それが見逃せないとの事だった。

 確かに人間は増え過ぎた。だからと言って人類を削減するのは反対だった。そして電脳世界に逃げ込んだマザーコンピュータを破壊する以外に、有効な手段は思い浮かばなかった。

 しかし問題は、電脳世界へ逃げ込んだマザーコンピュータの居場所が分からないことだった。広大な電脳世界から母親を見つけ出す手掛かりはない。五人が対策を考えていると、清史郎が口を開いた。

「おそらく、スーパーコンピュータ『無量大数』にいるのではないか」

 それを聞いてディーファイブの五人はそのスーパーコンピュータ「無量大数」の場所を検索した。しかし重要機密情報の為、いくらネットに強い五人と言えど突破は出来なかった。しかもマザーコンピュータによる厳重なプロテクトも相まって更に突破は不可能だと思われた。

 しかしマザーコンピュータの事ばかりを考えてはいられない。そろそろ中間テストの時期である。家庭科のテストは大掛かりな筆記テストをする必要は無いが、カンニング防止の為に見回りをしなければならない。とは言っても、人間よりも正確な防犯機能を持つAIが居ればほぼ問題が無い。

 遠藤は相変わらず全教科満点で、実技も満点を叩き出していた。今の人類に似合わず、自分の力だけで満点を叩き出すのは流石マザーコンピュータの息子だけの事はあるとディーファイブの五人は感心していた。

 一方その頃マザーコンピュータは、人類削減計画を再始動していた。

「私ハ……間違ッテナド、イナイ……!」

 マザーコンピュータは何か意を決して行動に出た。私立火帝火中学校の部活動に目を付けた。将来仕事をする為の活動ではなく、あくまで趣味の延長でやっている生徒を排除しようとしていたのだ。

 マザーコンピュータは分身を私立火帝火中学校に向けて送り込んだ。そこにディーファイブの五人がやって来て変身した。

「サイホーチェンジャー!サイホーチェンジ!」

 窓ガラスを破って外に出た一同は戦闘を開始した。

 各リョーリブレードで攻撃していったが、見切られて躱され、同士討ちのように互いの体を切り合ってしまった。キンリガンで撃っても前回までのキンリガンの弾道を学習して見極められたのか、弾と弾をぶつかり合わせて消滅させた。キンリエネルギーを貯められず、攻撃力は低いままだった。ファイナルシュートも効かず、これ以上はどうやっても倒せないと思ってしまったディーファイブ。そこに一脚の椅子が振って来てマザーコンピュータの分身に当てた。

「誰ダ!?」

「もう止めて下さい!母上!」

「清史郎……!オ前ハモウ用済ミダ!消エロ!」

「母上ー!」

 清史郎は校舎三階から飛び降りた。

「遠藤くーん!」

 清史郎は飛び降りるとマザーコンピュータの分身の一体を遠隔操作のリモートコントローラーで分解して装甲を身に纏い、変身した。

「遠藤君……その姿……!?」

「うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 清史郎はマザーコンピュータの他の分身に突撃していき、予想外の事態にマザーコンピュータは処理が追い付かず、フリーズした。フリーズする寸前「データヲ引キ継ギマス」と言ってシャットダウンした、その瞬間、清史郎は一瞬動きが止まった。

「遠藤君……?」

「先生……」

「どうして、飛び降りたりなんかしたんだ?」

「僕は只の人間ではありません。サイボーグなんです」

「そうか。だから全教科満点を叩き出せたのか……」

「実技も一度学習すればすぐに再現出来ます」

「成程……」

「先生。僕も戦います。母上の暴走を止める為に!」

「でも、それは青春を潰す事になるわ。それだけは駄目」

「先生とのこの戦いは、青春にならないんですか?」

「先生とじゃなく、友達と青春をしてほしいの」

「じゃあ先生。僕と友達になって下さい」

「え……?」

「サイボーグだって、先生とだって友達になれると思うんです!僕は、全青春を賭けて母上の暴走を止めて見せます!」

「……分かった。良いだろう」

「ディーレッド?」

「但し、条件がある」

「何ですか?」

「学校が終わったら、敬語は禁止。それが出来るなら一緒に戦おう」

「……善処します」

「でも子供を私達大人の戦いに巻き込むのは……」

「いいや。これは案外人類対AIの戦いの象徴になるかもしれないわ」

「ディーピンク?」

「これで老若男女問わず、人類とAIの戦いが明確になったわ。本格的に戦いに行きましょう」

「……成程な。良いんじゃないか?」

「ディーブルー?」

「いずれ分かってもらえる日が来る。それまで俺達で、この学園を、この国を、この星を護るんだ!」

「……そうだね」

「ディーイエローまで……分ぁったよ!俺もそれに乗る!」

「これからは六人で行動するんだ!行くぜ!皆!」

 一同は「応っ!」と手と手を取り合い、戦う事を決めたのだった。

 一同は宇宙基地に帰り、変身を解いた。

「じゃあこれから宜しくお願いします!」

 清史郎は深々と頭を下げた。しかしそれにサイホーは怒った。

「こらっ!さっきも言っただろう!」

「え、何がですか……?」

「……敬語禁止、だろ?」

「あ、そ、そうか……じゃ、じゃあ宜しく!サイホー!リョーリ!タッキー!ツー!リー!」

「そうそう。俺達もう友達なんだ。それくらい砕けなきゃな」

「並木さんが嫉妬するよ?」

「あの子は卒業したら友達として接してあげるつもりだから」

「あっそー。じゃ、喰おうぜ。清史郎」

「うん!」

 リョーリの作った夕飯を食べ、初めて友人達と食卓を囲んだ清史郎は、満足感に包まれながら自宅で眠りについた。

 その楽しいという無駄を感じて発生する清史郎の感情の反応をキャッチし、マザーコンピュータがディーファイブの居場所を特定して宇宙船に向かって攻撃してきた。清史郎にはリモートコントローラーでまだマザーコンピュータと繋がっている部分があったらしいが、本人は気付いていなかった。

「な、何だ何だ!?」

「……巨大ロボだ!」

「巨大ロボ!?」

「それも大群だ!」

 防御シールドをしていても来てしまう衝撃に、一同は困り果てた。基地とはいえ、戦闘用に作った訳では無い。防戦一方になる事しか出来なかった。

 そこで清史郎はリモートコントローラーを眺めた。

「皆!ここは僕に任せてくれ!」

 清史郎は宇宙空間に飛び出した。

「清史郎!?」

 清史郎は宇宙空間に出てリモートコントローラーを使って巨大ロボを何体か合体させ、自分がそこに乗り込んで一体の巨大ロボットになった。

「これは……!?」

「合体完成!ディーキング!」

「ディーキング……!?」

 ディーキングはマントを羽織り、ドラム式洗濯機のような砲撃台となり、右腕は柳葉包丁のような剣、左腕には鍋の蓋を模した盾、両脚は人が住める家のような空間があり、窓も付いていた。足にはお金を模したシューズが履かれていた。

「行くぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 ディーキングは次々と浮遊してくるマザーコンピュータの分身が操る巨大ロボットを斬り付けたり、踏み潰したり、盾で押し潰したりして倒していき、最後はポーズを決めてドラム式洗濯機の砲弾で爆発させて勝利した。マザーコンピュータの分身は大きな声で「データヲ引キ継ギマス」と言って爆散した。

 ディーキングは一瞬動きを止め、その後、それぞれ各パーツに分離し、それらを組み直して一つの宇宙船に変形した。ディーキング改めディーハウスは基地と連結し、行き来が可能になった。

「清史郎!」

「清史郎君!」

「皆!これで僕もディーファイブの一人だよな!?」

「いいや。お前はお前。ディーファイブは五人しか居られないんだ」

「じゃ、じゃあ僕は……?」

「そのままで良いんじゃないか?ディーキングで」

「そ、そうか!僕はロボットとして動けば良いんだね!?」

「そうだ。これからはサポートとして一緒に戦ってくれ」

「分かった!でも、ディーファイブじゃないのか……」

「ディーファイブの一人さ。ただ、ロボットとしての戦力でな」

「そっか……でもちょっと残念かな」

「まぁまだ加入してすぐなんだ。これから頑張って行こうな」

「分かった!」

 清史郎はこの日から、ディーファイブの仲間としてディーキングを操縦し、戦いに参加することになった。五人と同じ変身戦士ではない。それでも、清史郎は確かに彼らの仲間だった。


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