火帝火戦隊ディーファイブ5
『火帝火戦隊ディーファイブ』5
・先生、生徒会長と
ディーファイブの正体が知られて一ヶ月。生徒会長の遠藤が苦言を呈した。
「ディーファイブがいるからこの学園は狙われているのではないか?」
と。しかし正体を知らない学校側はそれを否定。事実無根として聞かなかった事にした
そこで遠藤は第二の手に出た。
「ならばマザーコンピュータを破壊擦れ良い。そうしたら万事解決だ」
と。そこにディーファイブの五人は「確かにそれで解決するならそれに越したことは無い。しかしながら、現状、日常生活をAIに任せっ切りになっている現代社会を突然AI断ちして世界が機能するか?」とも答えた。
何も言えなくなり、遠藤は自宅に帰った。遠藤は帰るなり、メイドロボットに荷物を預けた。
「オ帰リナサイマセ。清史郎様」
「あぁ。荷物は僕の部屋に置いておいてくれ。後で宿題をするから」
「畏マリマシタ」
清史郎は母の居る部屋に向かった。
「母上。只今帰りました」
「私ノ事はバザーコンピュータト呼ビナサイ」
「そうでしたね。マザーコンピュータ様。それで今日のご報告ですが……」
「ディーファイブヲ追放出来ナカッタ。ソウデスネ?」
「……はい」
「清史郎。貴方ハコウイッタ人間ヲ排除スル為ニ送リ込ンダ人工生命体ナラヌ機工生命体デス。ソノ事を忘レナイデ下サイ」
「はい。マザーコンピュータ様」
その日はシャワーを浴び、清史郎は眠りに着いた。
翌日、清史郎は登校した。いつものように先生達に挨拶をし、クラスメイトにも挨拶をして授業を受けた。そしてクラスの皆に言った。
「こんな危険な武力を持った人が教師で良いのか?」
そう問い掛けると、クラスの皆は「でも助けてもらったし」「悪い人じゃないし」と答えたが、一部「確かに危ないかも」と感じた生徒もいた。
「人は武力を持ったらいつか暴走する。事実、先日の後夜祭でこの世の絶対であるマザーコンピュータに攻撃して破壊したのは火帝火戦隊ディーファイブの五人だったではないか」
そう語り掛けると、クラスの皆の意見は百八十度変わり、一気にディーファイブの五人を糾弾する方向へと変わっていった。
クラスの皆は保護者にその事を説明すると、保護者は怒りを感じた。
「もし自分の子供達に被害が生まれたらどう責任を取るつもりなのか」
「これはこのクラスだけじゃない。他のクラス、いや、全学年に共有しなければ」
そう思って動いた保護者達は一気に学校側に申し入れした。しかし校長先生はその事実を知らず、訳が分からないといった状況で困惑していた。
そこで「写真がある」と言った清史郎はスクリーンに写真データを映した。しかしそこには画像加工がされており、何も映っていなかった。
これに対し校長先生は「これが何か?」と答えた。
どうやらディーファイブは自分達の正体を隠す為に特殊な電波を出してデジタル機器に影響を及ぼしていたらしい。そこで清史郎は次回の戦闘ではアナログ写真機を使って写真に収めようと決めた。
清史郎は家に帰り、マザーコンピュータに相談した。次の戦闘時、自分が戦線に立つと。
その夜、マザーコンピュータはディーファイブのアジトを突き止めた。生まれた時に埋め込まれたAIチップにその情報があった為、すぐに分かった。
「じゃあ何故すぐにそこに攻撃をしなかったのか?」
清史郎は疑問に思ったが、マザーコンピュータの考えに背く事は出来ずにただ命令に従った。
基地は地下に存在しており、その上に普通の家が一軒建っているという状況だった。
ディーファイブの五人は基地で戦闘訓練をし、シャワーを浴びてご飯を食べ、もう後は眠りに着くところだった。そこに清史郎が現れ、家を攻撃した。
何事かとディーファイブの五人は外に出て来たが、同時に近隣住民も出て来た。清史郎は「マザーコンピュータに反抗する反乱分子の再駆除です」と言って避難誘導を始めた。一瞬場から離れた清史郎はディーファイブの五人が清史郎を目撃する前にサイホーチェンジャーで変身し、戦った。清史郎は遠くから変身から戦闘までをアナログカメラで写真を写していき、ある程度集めたところでその場から消え、マザーコンピュータに報告した。
「マザーコンピュータ様。ディーファイブの五人の正体を映してまいりました」
「ヨクヤリマシタ。流石ハ我ガ子」
「これを明日、学校に持って行きます」
「少シ待チナサイ」
「何故です?」
「次ノ授業参観ノ時ニシマショウ。ソウスレバヨリ効果的デス」
「成程。ではそのように」
ディーファイブの五人は戦闘を終えると意外にもアッサリ終わった事に疑問を感じていた。「もしや居場所がバレた?」と感じ、地下基地をすぐさま改造し、宇宙船に変形させて宇宙に向かった。
翌日、ディーファイブの五人は宇宙から通勤し、学校に向かった。そして次の土曜日に授業参観を行うといったデータを生徒と保護者に渡した。
いよいよ授業参観当日。マザーコンピュータは「無駄ヲ経験サセル事ハ非効率」という名目で乗り込み、ディーファイブに襲い掛かった。
ディーファイブは保護者の前で変身し、戦った。
戦闘はすぐに終わり、一部壊れてしまった学校の建物を見て学校側は動いた。「即刻ディーファイブの五人を追い出そうと」。しかしこれに対し、ディーファイブの五人は言った。
「確かに私達のせいでこの学園が危険にさらされているかもしれません。しかし、いざ我々が居なくなった時、マザーコンピュータが襲って来た時、誰がこの学園を守るのかという事も考えて頂きたいです」
そう言うと学校側は口を噤み、ディーファイブの五人の継続を認めた。
しかし保護者は言った。
「こんな危険な人達がいては子供達の精神に悪影響である」
「マザーコンピュータに対する反乱は戦争になる」
「反乱分子がいる学校にいては子供達もその意思を受け継いでしまう可能性がある」
という声が上がり、学校側はディーファイブの五人を解雇するしか道が無かった。
ディーファイブの五人はそれを受け入れた。
最初こそ反抗していたのに、解雇宣告されると何故すんなり受け入れたのか疑問に思った清史郎は家に帰り、マザーコンピュータに報告した。
「マザーコンピュータ様。火帝火戦隊ディーファイブの追放に成功しました」
「ヨクヤリマシタ。ソレデハ第三フェーズニ移行シマス」
「第三フェーズ?何をするおつもりで?」
「人類削減計画ヲ更ニ進メマス」
マザーコンピュータは電気、ガス、水道系統を全て遮断した。これにより世界は大混乱。食事が出来ない事に不安感を感じた人類は人類同士で潰し合いを始めた。しかし何故かマザーコンピュータに攻撃を仕掛ける者はいなかった。それはマザーコンピュータが絶対であるという幼き頃からの洗脳によるものだった。
一方、ディーファイブの五人は宇宙船で畑を耕し、水を浄化し、食事をしていた。そしてマザーコンピュータの出動に対し、すぐに地上に降り立ち、マザーコンピュータの本体がある重要機密室に向かった。
「マザーコンピュータ!」
「火帝火戦隊ディーファイブ……マタ貴方達デスカ」
「お前が改心するまで俺達はどこまでも戦い続ける!」
「ソウデスカ。デハコチラモモウ一ツ戦イノ種ヲ用意シマショウ」
マザーコンピュータは清史郎を触手で人質にして立ち向かった。
「先生!」
「遠藤君!」
「何故遠藤君を貴方が狙うの!?」
「ソンナ事ハ貴方達ガ知ル必要ハアリマセン」
「許さん!皆!変身だ!」
一同は「応っ!」と応え「サイホーチェンジャー!サイホーチェンジ!」と叫んで変身した。
五人はキンリガンで清史郎を人質に取っていた触手を撃ち抜き、助けた。
「先生!」
「遠藤君!もう大丈夫よ!」
「先生……!」
清史郎は懐からナイフを取り出し、ピンクの脇腹を刺そうとした。
しかし防御力が高いスーツに歯が立たず、弾かれてしまった。
「何っ!?」
「遠藤君!?」
「これ程までスーツの完成度が高いとは……!マザーコンピュータ様!これからどうすれば!?」
「死ニナサイ。清史郎」
「えっ!?」
「貴方ガ死ネバ、火帝火戦隊ディーファイブに大キナダメージヲ与エラレマス。自害シナサイ」
「そ、それは……!」
「遠藤君!耳を貸しちゃ駄目!」
「君とマザーコンピュータがどんな関係かは知らないけど、そんな事はしちゃ駄目よ!」
「自害ナサイ。清史郎」
「僕は……僕は……!」
自分の首にナイフを突き刺そうとする清史郎。しかし躊躇いがあり、出来なかった。
「僕には出来ない……!」
「マザーコンピュータ!貴様はこんな子供をも使って、卑怯な真似を!」
「我ガ子ヲドウ扱オウガ私ノ勝手デス」
「我が子……!?どういう意味だ!」
「ドウセ貴方達ハ死ヌノデス。意味ヲ知ル必要ハアリマセン」
「俺達は死なない!お前がこの戦いを止めない限り!」
五人はそれぞれのリョーリブレードとキンリガンを合体させ「ファイナルシュート!」と叫んでマザーコンピュータに撃った。マザーコンピュータはガードをする事も無く、無残に崩れ落ちた。
「これで終わったか?」
そう思った時、マザーコンピュータから「データヲ引キ継ギマス」といういつもの音声が鳴り、清史郎は気を失った。その後、管内アナウンスが流れた。
「火帝火戦隊ディーファイブ。私ハ電脳世界ニ移行シマシタ。コレカラハモウ貴方達ハ私ヲ見付ケル事ハ出来マセン」
「何っ!?」
「デハマタ会ウ日マデ」
「待て!マザーコンピュータ!」
「清史郎ノ事ヲ、宜シクオ願イシマスネ……」
マザーコンピュータは逃走した。
清史郎から事情を聞いたディーファイブの五人は清史郎を自分達の基地に呼び、一緒に住む事にした。
そして清史郎の助言で学校側も五人の復職を決定。またマザーコンピュータが暴走する事を考え、兵器である彼ら五人を自分達の手の内に収めておいた方がいざという時助けてもらえると考えたからだった。
改めて教師生活を送る事となったディーファイブと、改めて学生生活で青春を味わう事の出来る機工生命体の清史郎。
奇妙な関係性で六人は暮らす事となったのだった。




