33.あっさり船は見つかる。 問題はその後。
豊洲のマリーナまではちょっと道に迷いながらだったけれど1時間もかからずに到着した。
だいぶ歩き疲れた。
桟橋にはまだ多数の船が残っていて、私が乗ったことのあるクルーズ船はすぐに見つかった。
船の名前は覚えてないけれど見覚えがある形で、船内もたぶん同じだと思う。
船のデッキからリビングを抜けてまっすぐ進むとベッドがある部屋。
特に船の中が荒らされたような痕跡もなければ、ゾンビの痕跡もなくとても綺麗だった。
私はリビングエリアに荷物を降ろして、固定してたうさぎのぬいぐるみをとりあえずソファーに座らせてから、船内を確認する。自分が見たことのある範囲内はとてもきれいで、ちょっと古いかなってぐらい。小さいキッチンとシャワールームまで備え付けられていて、小さな家って感じ。
でも順調なのはここまでだった。
ベッドルームは開かないし、他にもキャビネットの中とか開けられない。
たぶんどこかに鍵があるんだろうと思って、梯子を上ってみれば操縦っぽいものを見つける。
ただ、ボタンがいっぱいあって何が何なのかはよくわからない。
操舵はたぶんこれ、明らかにハンドルっぽいものがついてるから。
ただ、どうやってエンジンかけるのかすら、わからない。
「これはやっぱり超難題かも」
操縦席周りをくまなく探し回りようやく説明書を見つける。
ハンドルが付いてる座席の横に一杯つてるスイッチ類がエンジンをかけるための物らしい。
これは緒と勉強したぐらいじゃわからないかも。
「しばらく勉強かな……とりあえず寝床を確保したと思うことにしよう」
一度荷解きをして、足りなさそうなものを確認する。
ベッドルームを開けるのが先だと考えて、船の名前を憶えて事務所っぽいところに行く。
鍵が金庫の中とかに無いことを祈るしかない。
事務所の入り口は自動ドアで、きっと船を預けてる人たちがここで手続きとかするんだと思う。
受付を乗り越えて奥へ、ふと視界に大きなロッカー形状のキーケースを見つける。
私は祈りながらバールでこじ開けた。
「あった、これだ」
複数の鍵があり、そのカギに名前付きの札が付いていたのでたすかった。
船の名前通りのカギの束をポケットに入れて事務所を後にする。
早速何個か鍵をためすとベッドルームを開けることができた。
「寝床かくほぉ」
ベッドルームはちゃんと内側からも鍵がかけられるようになっていたので、安心して寝られそう。
荷物の整理は明日にして、とりあえず今日は夕飯食べて寝ることにした。




