21.迷子
ホームセンターの中は真っ暗で、始めてきたお店で目的の場所にたどり着けない。
しかも背の高い棚が多くて見通しが悪い。
どこでゾンビに鉢合わせするかわからない恐怖から探索は全然進まなかった。
それでも電池を大量に確保できたし、作業手袋を見つけることができた。これで素手で何かを触ることが無くなる。
ゆっくり店内を進みながら棚を確認してと進み、エスカレーターの横にたどり着いた。
柱にある案内板でようやく店舗の全体像が把握できた。
「とりあえず2階に行かないとキャンプ用品はないか」
キャンプって流行りだから1階にあると思ってたけれど、むしろこの店舗は二階に広いコーナーがあるみたい。
2階に上ると、そこは1階より真っ暗な空間だった。
窓がない建物って昼間でも本当に真っ暗になるのか。非常灯もついてなくて本当に明かりがない。
それでも1階で、大きな懐中電灯と、頭につけるやつをゲットできたのよかった。
かなり広範囲を照らせる。
2階は1階より見通しが良くて、ゾンビがいない事が割とすぐに確認できたから。
ただ、キャンプコーナーで必要なものを見繕うと、とても持って帰れる量じゃなくなった。
「何回かに分けて持って帰るしかないね」
私は見つけたものを一か所にまとめて、一度店を出ることにした。
少なくとも浄水器と簡易シャワーを見つけたのでそれは持って帰る。シャワーは吊るして使うやつで、シャワールームの物干し棒にひっかければ使えそう。
ほかにも使えそうなものとしてガムテープとかスズランテープみたいなの、カッターとか工具類、そしてバールを手に入れた。
これだけで手持はいっぱいなので、ポリタンクとか無駄に欲しくなっちゃったキャンプ用の食器類はおいていく。
特に水はいっぱいは持って帰れないし、今はまだ家に数本ペットボトルがあるから2リットル1本だけ持って帰る。
荷物をまとめてバールと懐中電灯を握りしめ下に降りると、来た時にはあった外の明かりが見えず出口が分からない。
現在地は分かるけれどどこから入ってきたのかわからなくなっていた。
これは拙いかもしれない。
とりあえず現在地からまっすぐ進んだところの出口にたどり着くと外はもう日が落ちていた。
そして出たはいいものの、間違いなく入ってきたところとは違う出口から外に出ていた。
「……いや駅に向かえばいいだから多分あっちだよね」
いつもならスマホをみて自宅を選べばいいだけなのに、そのスマホは置いてきてるし、仮に持ってても自宅までの道案内はしてくれないはず。 だって電波ないし。
リュックは重たく、バールもずっと持ってるとずっしり腕に来る。
しばらく歩くけど、いつも知ってる道にも出ないし、駅への案内板も見当たらない。
「えぇ。嘘こっちじゃないの?」
日は完全に落ちて、あたりは真っ暗だし、街灯もついてないから明かりは私の懐中電灯だけ、今や自分がどこにいるのかもわかってない状態。
さらにホームセンターの看板が今いる位置から見えない。
え、どうしよう……わたし迷子?




