20.ホームセンターへ
朝目が覚めてスマホを眺めたときの「圏外」の文字はあまりにも絶望的だった。
幸いなのはGPSは動いていたこと。
地図をダウンロードしたおかげで周辺のマップを見ることはできる。
ただ、電波が無いと検索できないできない事に、この時になって初めて気が付いた。
「……ホームセンターどこ?」
マップを拡大して見える範囲で探すしかない。
家具家電を買いにいたお店は覚えているけれど、それは新宿のお店でこの辺りじゃない。
ふと最寄り駅にホームセンターへの案内看板があったことを思い出す。
「いったん駅まで行こう」
リュックにはハンカチとポケットティッシュにペットボトルのお茶を入れて背負う。
いっぱい持って帰ってこないといけないからあんまり荷物を増やせない。スマホはなくすの怖いからおいていく。
そして、メモで必要な物リストを作る。
作業手袋と、あれば簡易シャワーってやつ、ろ過機も探してみる。
照明代わりにしていた懐中電灯を持ってくのを忘れかけて慌ててリュックに入れて出発する。
出来ればバットじゃなくてバールが欲しいかも。
まずは駅まで行く。
普段10分程度の道も、人が誰もないいなくて逆に怖い。
むしろゲームみたいにゾンビが唸ってる方が怖くないかもしれない。
私が倒したゾンビもそうだったけれど、特に叫んだり走ってきたりとかなく、静かなものだ。
人影はないし、雑居ビルの窓を見ても人はいそうにない。
結局30分ほどかけて駅に着くまで、人にも動物にも会わなかった。
本当に町に私しかいないみたい。
「あ、この看板だ」
地下鉄の駅につくと、入り口に看板を見つけた。
この出口から道沿いに徒歩5分みたいな看板で、意外と近くにあるみたい。
でも私は利用したことなかったな。学校行った帰りに新宿で買い物することが多かったからかも。
地下鉄のホームに降りなくて済んだのは幸いだったかも。何の明かりもない地下鉄の駅の中なんて歩きたくない。
周囲を警戒しながら大通りを進む。
家の近くより車やバスが結構止まってるけれど、人が居た痕跡がない。
ほんと、時間が止まってるような感じがする。
そしてしばらく歩くとお店の看板が見えて来てほっとする。とりあえず目的地には着いた。
私は入口の自動ドアに手をかけてゆっくりと引くいて開ける。
お店の中はとても静かで真っ暗だった。




