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王女サヤカの思い(幸せな星)  作者: 藤村 次郎
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第37話 ジジの独り言

 私は聖獣のジジ。今までは魔女サヤカ様の監視及び魔女の家との連絡係を担っていました。

サヤカ様が、この魔女の家に到達したことで、私の任務は完了したのでしょうか?。しかし、まだ、サナエさんからは解任のお言葉は頂いておりません。


「サナエさん。私は今まで通り、サヤカ様のおそばに居ても良いのでしょうか?」

「それはもう、これからもよろしく。サヤカ様もそれで良いですか?」

「ジジ、離すつもりはないわ。今後もよろしくね」


「ところで、ジジ。サヤカ様に人化の魔法を指南してもらったら、どお?」

「え・。私、そんなの知らないです」

「大丈夫。神様に、”思いつくことが、魔法で出来るように”ってお願いしたでしょう。初代魔女ハナ様もできましたので、きっとできますよ」


 ということで、サヤカから人化の魔法を授かりました。

そして、サヤカと相談して、サヤカよりちょっと年上の16歳にしました。お姉さま気取りで旅に出られます。でも、名前がジジではちょっと?なので、サヤカに人型の名前を付けてもらいました。

『タマヨ』

おいおい、猫そのままじゃないですか!。まあ・・・気に入りました。

タマヨと呼ばれたら人化、ジジって呼ばれたら猫型に変化します。



 私は、サハラ王国の王城の一角で生まれました。野良猫です。

あまりのひもじさに、フラフラと茂みから花壇に彷徨い出たところを、庭師に見つかり、捕らえられました。そして、水桶に突っ込まれるところを、王女様に助けられたのです。


 それからは、夢のような生活でした。3食昼寝付きで、王女様の寝室にも上げてくれたのです。

しかし、そのような豪奢な生活に終わりが来ました。

王女様が、隣の国に輿入れしたのですが、私は連れていってもらえず、追い払われたのです。仕方ないことです。王女の結婚相手が猫アレルギーでした。


 私は、再び野良猫に落ちました。食べること寝ることも、もう最悪でした。一度ならず、雄猫に追っかけられ、傷つき死ぬ一歩手前まで経験したのです。

スラム街での生活は大変でした。ボスやその配下に出くわさないよう、餌場に辿りつくも、先客に追い払われ、幾日も食べられない毎日でした。それも長続きはしません。


 3歳になったある日、とうとうボス猫に、ぼこぼこにされたのです。

もう死を待つしかなく、道端にぐったりとしていると、柔らかい手で持ち上げられたのです。あ・・、お迎えが来たんだと観念しました。

それが、おゆきさんとの出会いでした。


 幸と不幸の連続で、私のこころはササクレておりました。『シャーッ』と最後の力を振り絞って威嚇したのですが、無駄でした。意識が遠のいてゆく・・・・.


 おゆきさんは、魔女の家に行く途中だったそうです。


「サナエさん、この猫には心があります。見つけた時には瀕死でしたが、幸い、間に合ったようです。こちらで預かってもらえますか?」

「まあ、可愛い。いいですよ」

一命を取り留めた上に、再び幸せな毎日が続きました。


 縁側でうつらうつらとしていると、昔のことが思い浮かびます。あの魚屋のおじさんは、よく余りものをくれたとか、馬小屋の屋根裏に住んでいる、黄色い猫が私を妹のようにかわいがってくれたとか。

あ・・、でも・・・何もお返しができていません。

でも、良かったことは思い出に残り、いやなことは忘れました。ハハハハハ・・・。


 私は、魔女の家で健やかな毎日を得ることができました。それから、500年経って聖獣になりました。

それからは、魔女の家を起点にサナエさんに連れられ、この世界をめぐりました。

そして、今は4代目魔女サヤカの『おともだち』です。僕ではありません。サヤカ様は頑張り屋さんです。神様からの使命を、真剣に取り組んでします。でも、ちょっとドジなところもあり、目を離せない妹のよう?です。


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