ヴァンパイアを追いかけろ(8)主人公視点
玄関のドアを開けたら、学校からまばゆい光が発せられている。
「あれが信号」
「そうです。さあ、急ぎましょう。そうこうしてるあいだにも、三枝君の身が心配です」
「はい」
シスターの言葉に気合いが入る。
私たち3人は一斉に、学校に向かってかけだした。
「危ない」
シスターの言葉で私たちは、四方に分散した。
前方から飛んできた漆黒の玉は、中央で爆発した。
身構える。
敵が近付いてくる。
「キュア」
「そんな。『キュア』の光がかき消される!!」
学校まであと、もう少し、というところまできて、私たちは、一人のゾンビに足止めされた。
「エスケープ」
ライラが唱えた呪文は、ゾンビの体の直前で消えた。
「そんな」
「ならば、これはどうです」
シスターは、キュアの呪文を、直接ゾンビに放つ。
「ハイ・キュア」
シスターが唱えた呪文は、ゾンビの体の直前で消えた。
「あり得ないですわッ」
「無駄さ。ここは『ネオ・ヴァンパイア』様の作った世界。どんな攻撃も無効なのさ」
「『ネオ・ヴァンパイア』ですって?」
「さよう。ヴァンパイアを超越した存在。我らヴァンパイアの王となるお方です」
「そうか。そいつが私に、呪いをかけた憎きやつ」
「ええ。わたくしの血を吸い、そして異世界へと繋ぐ魔法を封じた憎きもの」
「ネオ・ヴァンパイア」
二人同時だった。
私は何もできない自分のおろかさをなげいた。
「ここから先は通さないよ。私は『ネオ・ヴァンパイア』様の髪から生まれてる。私にはキュアなんて物はもちろん、まじないじみた物は、なおさらきかないよ」
「ク、いったいどうしたらいいの」
「さあ、どうする?勇気あるお嬢さん」
手段がない。万策つきた。
「消えなさい。我が野望を邪魔する者たちよ」
私は目をつぶった。覚悟した。




