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第四話 秋波、想い出を見つめて

華の金曜日、今週も仕事で疲れが溜まっていた。

もう私も30だから体力の衰えを実感する。

早く帰って寝たい。

あ、今日この後飲み会だったわ。


職場からそう遠くない飲み屋街は賑やかでして。眠る気配すらない。

私はというと、駅前広場近くの居酒屋で上司の鬱陶しい愚痴を聞き流す。


「人生全然楽しくないです。今からでもどうにかなんないですかねー。」


同期が先輩に絡んでいる。


「もう変わんないよー、俺らの歳じゃなぁ。」


先輩、ちょっと悲しそう。


そんなつまらない会話を聞いていると、私はふと数年前のことを思い出した。


“私は何も変わらなかったよ”


寂しそうな顔でそう言っていたあの時の女性は今どうしているだろう。


飲み会も終わり、私は電車に乗って自宅に向かう。


女性のことを考え続けていると、どういうわけか私は東京駅のホームに立っていた。

改札を出て、綺麗な赤レンガを眺めながら歩く。

久しぶりにあの場所に行ってみようか。

あれ以来行ってなかったからな。


今日は金曜日、女性がいることを期待しているのかどうか自分でもわからないまま屋上に向かう。


屋上庭園に着くと、






そこには誰もいなかった。


「そっか。お姉さんも、」


私は微笑んで空を見上げる。


今日は満月だ。

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