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第一話 薄氷

金曜日、今日もまた校門の前で引き返すことになった。

まあ制服すら着てないんだけど。


高校という領域に入るのが怖いんです。


貧乏すぎてローファーも買えない。

カバンもみんなのと違う。

化粧品なんてもってのほか。

私が喋ると場の空気が凍り付くのが分かる。

私と喋った人が陰口を言われる。

体育の時間、ペアを作るときには必ず余りもの。

私が標的になった瞬間、中学で仲が良かった友達も態度を翻した。

もともと友達だと思われてなかったのかもしれない。

SNSでたぶん私抜きのグループもあるんだろうな。


私って中学生の頃は比較的上手く立ち回ってたんだよ?

どうしてこうなったんだろうね。


「今日も行けなかった。」と伝える度、両親は溜息をつく。

一つ下の弟も学校では姉がいることを隠しているらしい。


「私って生きてる意味ある?」

「生まれない方が良かった?」


こんな質問に答えてくれる人もいない。


そんなくだらないことを考えながら今日も私は高校の最寄り駅のホームに立っている。

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