第8話
遅くなりました・・・
古賀のお母様からの「結婚式しましょう」発言から結構時間が経っていますのであしからず。
「・・・」
十年ぶりに秋穂は自宅の前に立った。
インターホンに手を伸ばし、怖気づいて引っ込める。
どのくらい決心がつかずそうしていたのか、不意に玄関の扉が開いた。
「あら・・・」
久方ぶりに会った母親は秋穂の記憶にあるのもよりの小さくなって見えた。
自分を認めた母の顔が驚きに染まる。
「・・・」
「・・・秋穂・・・」
どうしていいかわからないそんな感情が母の表情から伝わり、秋穂は苦笑と共にため息を零した。
結局、母も自分も変われていないということなのだろう。
「・・・なにかあった」
ぎこちない問いかけにここに来た当初の目的を思い出す。
「結婚したから、一応その報告」
「・・・えっ」
「えぇ!!秋ちゃん結婚、結婚したの?いつ?」
突然、妹の声が割って入ってきた。
「三ヶ月前」
「どうして教えてくれないの、ひどい」
「言うほどのことじゃないと思って」
妹に詰め寄られ秋穂はたじろぐ。
「言うほどのことだよ!ね、弘くん」
妹の言葉に驚いて顔をあげるとそこには何事かと玄関から顔を出した父とあの人がいた。
「・・・」
「・・・」
もう、帰りたい。
いたたまれなくなり、やっぱり来なければ良かったと秋穂はそう思い始めていた。
「秋穂」
幻聴が・・・
声が聞きたいなんて思っていたからか、古賀の耳に心地よく響く声が聞える。
「秋穂」
再び聞えてきた声に妹に抱きつかれたまま下を向いていた秋穂は勢いよく顔を上げた。
そこに立っていたのは、声が聞きたい、会いたいと思っていたまさにその相手だった。
「・・・」
おいで、と目で言われ秋穂は抱きしめていた妹を離し古賀の側に駆け寄った。
「・・・仕事は?」
職業病の秋穂は開口一番にそう聞いてしまった。
「気になって仕方なかったから霧斗に任せてきた」
「・・・」
苦笑しながらもしれっと答える古賀に、それはどうかと思うが・・・
「?だったらどうやって来たんですか」
「車」
「目立ちませんでした」
「近くで待たせてある」
ごく一般的な住宅街に一件家が買えそうな外車が止まっていたら誰でも驚くだろう。
かといって、この男にそんなことを言っても通じはしないだろうが・・・
「来て正解だったな」
確信したような口調に秋穂はむっとする。
しかし、安心したのもまた事実で、秋穂は自分から指を絡め古賀の手を握る。
その行動の意味に気づいたのか、古賀も大丈夫だと言う風に握り返してくれた。
「はじめまして、ご挨拶が遅くなって申し訳ありません。三ヶ月ほど前に秋穂さんと結婚しました、古賀祐一と言います。」
「「・・・」」
完璧なる王子様スマイル。
どうしてだろう、違和感が拭えない。
まぁ、それもそのはずだろう。秋穂の中での古賀祐一という男は腹黒い笑顔が似合う鬼畜認定されているのだから。
「古賀さん?」
「はい。秋ちゃんのどこが好きですか」
妹よ、そんな質問をこの男にするな。
「そうですね、どこ、と限定されてしまうとなかなか難しい質問ですね。私は秋穂さんの人一倍寂しがりやなくせに他人に甘えられない不器用なところも、自分を過小評価しすぎるネガティブなところも、そういった彼女を形作る全てが好きですよ」
「・・・」
秋穂はその言葉に真っ赤になった。
そんなまじめに言われると、恥ずかしくて、恥ずかしくて、別の意味で帰りたくなってしまう。
両親も古賀の言葉になんと返したらよいのか分からないという雰囲気だ。
「そうですか」
きいた妹も若干恥ずかしそうだ。
「どんなお仕事をされているんですか」
意外にもそう聞いたのは品定めするように古賀を見ていた弘人だった。
「現在は古賀グループで働いています。役職はそうですね、専務という立場を頂いています。秋穂さんは現在私の妻と秘書という立場にいます」
その言葉に全員が驚いた顔になる。
確かにまだ年若く見える古賀が専務という高い役職についているのは驚きの対象となるだろう。
「専務ですか・・・失礼ですがいくつなんですか」
「32歳です」
自分より6歳も年上だったのかといまさらながら思い出す。
「・・・」
「秋穂」
そういって時計を見た古賀が声を掛けてきたので、秋穂も時間を確認する。
そこで義母との約束の時間が迫っていることに気づく。
「・・・あの、これ」
かばんに入れておいた結婚式の招待状を差し出す。
「籍だけ先に入れてたから、今週末に式を挙げるの。だから、招待状・・・来ても来なくてもいいから」
そういって呆然としたままの両親に招待状を渡す。
「秋穂、母さんとの約束に間に合わなくなる」
「・・・秋穂」
古賀の声に秋穂がきびすを返そうとしたときだった。
呼び止めたのは意外にも父だった。
「・・・ヴァージンロードは・・・」
だれと歩くのかと父は小さな声で聞いてきた。
「古賀の義父様か蘇芳さんが歩きたいといってくださっています」
「そうか・・・」
そんなことを聞いてきたということは父は来ないつもりなのだろう。
秋穂はうつむき唇をかんだ。
そっと、古賀が秋穂の手を握り、歩き出す。
「がんばったな」
車の中で言われた言葉に秋穂は涙を零しながらも頷いた。
うまくいったとは思わない。けれど、きっとこれで前に進むことはできるだろう。
優しく温かい自分が一番安心できる古賀の腕の中で秋穂はしばらく涙を流した。
ふぅ、何とか書き終わった。
秋穂ちゃん・・・
キャパオーバーで泣きそうだったよ。
物語りも大分架橋に差し掛かってきたわけですがなかなか終わりません。
番外編は本編以上に続いてる?もしかして?
あれぇ?おかしいぞ。こんな予定ではなかったはず・・・(前も言ったな。デジャヴ?)
いや、秋穂ちゃんの過去も書いたしそろそろ結婚式・・・結婚式・・・結婚式・・・(呪文)
はぁぁぁぁぁ・・・(ため息つくなよ)
秋穂ちゃんが義母と会うのはウエディングドレスが出来上がったからです。
よし、がんばろう。
最近古賀氏出番少なかったし・・・
そろそろがんばってもらわないと(笑)
(夜中だからかな?なんだか支離滅裂なこと後書きに書いてる???)




