↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力換金  作者: ぴよぴよ
20/25

第二十話 新居

翌朝。田中は新しく手に入れた家の2階で目を覚ました。昨日まで泊まっていた宿とは違う。ここは自分たちの家だ。


「ほんまに家貰ってもうたな」


 身体を起こし、収納袋へ手を入れる。ステータスを確認した。


 Lv5。


 HP786/786。


 MP784/784。


 筋力597。


 耐久291。


 敏捷359。


 器用281。


「いつも通りでええか」


 MPを100残し、684MPを換金する。


 6,840円。


 所持金は2,721,156円から2,727,996円になった。


    ◇


 1階へ下りる。広い元店舗。その奥には部屋と倉庫。家そのものは広いが、生活に必要な物がほとんどない。


 ガルドは翻訳魔道具の近くにいた。


「おはよう、爺さん」


「オハヨウ」


「それ動かして」


 ガルドが翻訳魔道具へ触れ、魔力を流した。淡い光が灯る。


『これでいいか』


「やっぱ便利やな」


『そうだな』


 田中は翻訳魔道具を見る。


「これ2,000万するんやろ」


『大金貨二枚ほどだ』


「絶対壊したらあかんな」


 田中は周囲を見回した。


「今日はこれ家置いとこ」


『持っていかないのか』


「森で壊れたら最悪やん」


 キバイノシシに踏まれる。戦闘中に落とす。何かにぶつける。そんな危険を冒してまで持って行く物ではない。


「狩りには要らん。家置いとく」


『分かった』


「で、今日なんやけど」


『何だ』


「狩り行くで」


 ガルドの表情が固まった。


『私は行かない』


「やっぱりな」


『森には行かない』


「昨日あんだけ嫌がってたもんな」


『行かない』


「分かったって」


 田中も昨日のキバイノシシを思い出す。ガルドを連れて行けば、戦闘中にそちらまで気にしなければならない。通訳としては必要でも、狩りにはいない方が楽だった。


「爺さんは買い物しといて」


『買い物?』


「この家、何もないやろ」


 田中は広い1階を見回した。


「飯もいるし、家で使うもんもいる」


『何を買う』


「そこは爺さんに任せる」


『私に?』


「俺、この世界の家で何いるか分からんもん」


 田中は指を折る。


「飯。鍋とか皿とか。寝る時に使うもん。掃除するもん。他にも要るもんあったら買っといて」


『分かった』


「三階まであるからな。何も無いままやったら困るやろ」


 田中は収納袋から大銀貨1枚を取り出した。


「これ使って」


 ガルドが受け取る。


『大銀貨一枚だな』


「10万円分。飯と家に要るもん買っといて」


『分かった』


「余ったら置いといてくれたらええから」


『そうしよう』


 所持金は2,727,996円から2,627,996円になった。


「あと爺さんの食いたいもんも買っとき」


『私の分もか』


「当たり前やろ。一緒に住むんやから」


 ガルドは大銀貨をしまった。


『分かった』


    ◇


「ほな俺は森行くわ」


『一人で?』


「1人」


『それならいい』


「何で安心してんねん」


『私は行かない』


「知ってるわ」


 田中は翻訳魔道具を見る。


「これ置いていくから、出る時は止めといて」


『分かった』


 ガルドが魔力を止める。淡い光が消えた。


「オレ、カイモノ」


「頼むわ」


「アナタ、モリ」


「せや」


「イッテラッシャイ」


「完全に覚えたな、それ」


 田中は収納袋の中を確認する。


 作業手袋。


 金テコ。


 黒打捌き包丁。


 ペットボトル。


 狩りに必要な物は揃っている。


「ほな行ってくる」


「イッテラッシャイ」


「2回言うな」


    ◇


 新しい家を出た。田中は一度振り返る。三階建ての家。昨日まで宿暮らしだったのに、いきなり家持ちになった。


「異世界来て家まで手に入るとは思わんかったわ」


 しかも買ったわけではない。借金取りの事務所へ乗り込み、その補償として手に入れた。


「まあええか」


 田中は北門へ向かった。


    ◇


 門を抜け、森へ向かう。昨日と同じ道だ。今日はガルドもいない。高価な翻訳魔道具も家に置いてきた。


「これなら気ぃ使わんでええな」


 森が近づく。田中は作業手袋を着けた。収納袋から金テコを取り出す。


「ほな今日も稼ぐか」


 そのまま森の中へ入っていった。


異世界生活 7日目

所持金 2,627,996円

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。