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男1:女9の世界で、パパと僕は自由を求めてダンジョンへ走る  ~ 婚約者刺客と母親連合から逃げる父子の珍道中 ~  作者: かぶんす


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第25話:『ダブル・フロント、泥臭い男の戦い方』

「グオォォォォォォォン!!」


大迷宮神・ティターンが咆哮し、その巨大な岩石の腕が、猛烈な速度で僕たち目掛けて振り下ろされた。

だが、僕のハニーブロンドの髪は、実母・志乃から受け継いだ強大無比な魔力で眩しく逆立っている。僕のエメラルドグリーンの瞳は、すでにボスの動きを完璧に捉えていた。


「『魔力障壁シールド――三重多層展開』!」


僕が魔導杖を突き出すと、僕たちの前に、ハニーゴールドに輝く幾何学模様の魔法障壁が三重に展開された。

志乃お母様の得意とする重力障壁の理論を、僕自身の精密制御でアレンジした特製シールドだ。


――ドゴォォォォン!!


ティターンの岩拳が障壁に激突し、凄まじい火花と衝撃波が周囲に吹き荒れる。

二重目までが一瞬で粉砕されたが、三重目の障壁がボスの巨拳を完全に受け止め、その軌道を無理やり上空へと逸らした。


「な、なんですのこの防御力は!? 私の大聖域のバリアよりも、遥かに高密度ですわ!」


泥まみれになりながら、雅がオドアイの瞳を見開いて叫ぶ。


「データ更新。ターゲット(央太)の魔力出力、志乃様に肉薄。……あまりの格好良さに、私の感情モジュールがメルトダウン中」


クロエが頬を真っ赤に染め、オーバーサイズの萌え袖で顔を覆う。


「おぉぉ! よう言うた央太! これや、これが波多野の男の本気や!」


健吾がいつの間にか大剣「バルムンク」を構え、不敵に笑いながら僕の隣へと並び立った。

ワイルドな黒髪を振り乱し、鋭い三白眼を獣のように光らせる。37歳、現役最強の物理前衛。


「おい息子よ! 前衛のやり方、しっかり目に焼き付けとけ! 行くぞォ!」


「パパ、足元が滑るから気ぃつけてや! 右足の関節にある魔力結晶、あれが弱点や!」


「了解や! ハァァァァーーーッ!」


健吾の身体が、氷の床を滑るように疾走した。

現役最速のフットワーク。ティターンが健吾を踏み潰そうと巨大な足を振り下ろすが、健吾は紙一重のステップでそれを回避し、大剣をボスの足首に叩きつけた。


――ガキィィィィン!!


火花が散り、ボスの岩肌に微かな亀裂が入る。

ティターンのヘイト(敵対心)が完全に健吾へと向いた。ボスが健吾目掛けて連続の踏み付けを繰り出す。


「央太、今や! 狙撃いけぇ!」


「『魔術精密射撃ライトニング・ランス――収束』!」


僕は後衛から、魔導杖の先へ高密度の雷魔術を収束させた。

ティターンの動き、そして健吾の回避ルートを脳内で完璧に計算する。志乃お母様に叩き込まれた、コンマ一秒の狂いもない計算能力。


――ドシュゥゥゥン!!


僕の放ったハニーゴールドの雷撃が、健吾の大剣の影を縫うようにして、ティターンの右膝の結晶にピンポイントで突き刺さった。


「グオォォォ!?」


ティターンが苦悶の声を上げ、巨大な膝を折って崩れ落ちる。


「う、美しい……。前衛の健吾殿の動きに、一点の狂いもなく後衛から魔術を合わせる。これぞ、完璧なる親子の『ダブル・フロント』にござる……!」


零華が「名刀・白百合」を杖代わりに立ち上がり、琥珀色の瞳を輝かせて僕たちの戦いに見惚れていた。


「お嬢ちゃんたち、見惚れとる暇があったら、雅ちゃんは零華たちの傷を治したってや! クロエちゃんはビットでボスの視界を塞げ!」


健吾が大剣を肩に担ぎながら、コテコテの関西弁で指示を飛ばす。


「お、おーほっほっほ! 言われなくてもやりますわよ! 『極大治癒エリア・ヒール』!」


「了解。妨害電磁ビット、展開。ボスの視覚センサーをジャミングする」


雅の純白のパラソルから放たれた温かい光が、零華たちの傷を瞬時に塞いでいく。

クロエの放った無数のビットがティターンの顔面を覆い、青いフラッシュを連発してボスの動きを鈍らせる。


「いくぞ央太! 一気にコアまで叩き潰すぞ!」


「うん、パパ! 僕が道を切り開く!」


完璧な標準語の仮面を投げ捨て、僕たちの野生のコテコテの関西弁が響き渡る。

親子の絆、そして少女たちとの信頼。

カゴの鳥だった僕は今、最強の仲間たちと共に、伝説のレイドボスを圧倒し始めていた。


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