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シル・ストア~第0部 風の生まれるところ  作者:
第2章 佳澄:8歳 小学校3年

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班替え

翌日、朝礼で担任は班替えを宣言した。

「お静かに!」

担任の声にざわざわする気配が収まる。

佳澄は流石と手を叩きたくなった。

このクラスでは4人一組男女同数を一班にして掃除や給食当番、総合学習、課外授業など色々な作業を行う。

クラス替えから1月弱、GWを前にしてやっと色々と馴染んできたところでの班替えだ。

担任の設定した班は出来るだけ色々な人達と付き合えるよう、バランス良く助け合えるように考えられている。

多くの班はそれらはうまく機能し出しているので有難くない話だろう。

『やっと仲良くなってきたのに』

彼等彼女等の多くの気持ちを代弁すればこれだ。

一部諸手を上げて歓迎している者達もいる。

担任の思惑通りに機能しなかった班に属するものだ。


そういう有象無象のざわめきを一言で黙らせる担任の手腕はなかなかのもの。

班替えの趣旨と組み合わせを説明する担任の言葉に佳澄は耳を傾ける。

昨日佳澄が提案したのは班替えで問題児二人を引き受けると言うものだ。

ケイとタロウの関係は幸い初期段階でいじめのボーダーラインを越えるかどうかというところである。

この段階で対処できれば被害は軽いが二人共本人の素養というより家庭の問題が大きい。

3年になって家庭の問題でおかしくなったケイ、タロウも少々卑屈とは言え、昨年度までは特に問題になっていなかった。

母親が悪阻で体調を崩すようになり子供の面倒を見れなくなったのが原因であって、それが収まれば元に戻るだろう。

担任がいじめの対処で二人の家庭問題にまで肩入れすれば贔屓だなんだと言われる。

そこでその問題については佳澄が対処し、何か起こった時の対処は担任がするということにした。

「報連相は忘れずにお願いね。」

昨日の最後の担任の言葉である。


今日の最終、5限は総合学習の時間である。

この時間は班単位で課題を決めて行う。

大半の班は既に課題を決めて動き出そうしていたのを振り出しに戻されたのだから怒るのも理解できる。

担任もそれを分かっているので似たような課題を挙げているメンバーを組み合わせて新しい班を組んでいた。

佳澄の班はケイ、タロウの他に上がり症で対人恐怖症の気がある女の子、アイが加わった。

頭は良いし仕事も丁寧にこなす良い子なのだが、元の班では我の強いメンバーに意見を言えず、いい様に使われていた。

彼女も放置すればいじめか搾取の対象とされていただろう。

特に掃除当番で最後の始末を押し付けらている場面にこの一月未満で佳澄は何度も遭遇している。

「担任、本当に問題児ばかり集めたな。」

佳澄は一人頭を抱えた。

その問題児に当然佳澄も入っている。

「まずは自己紹介からね。私は深山佳澄・・・」

「勝手に仕切るなよ。」

早速ケイが文句を言ってきたもののその言葉には力が無い。

既に昼休みに話し合い済みだ。

「ここはお見合いの場じゃないの。やることやらないと駄目でしょ。」

そう言ってテキパキと話を進め、自己紹介や、班長などの役割を決めていく。

班長は口論の末、佳澄が成った。

「それでは当班の課題を決めたいと思います。」

閲覧、有難うございます。


佳澄はケイに対し、昼休みに会話済み。

何を話したはその内会話で出てきます。

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