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シル・ストア~第0部 風の生まれるところ  作者:
第2章 佳澄:8歳 小学校3年

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24/30

ことの始まり

最近、クラスの雰囲気が悪い。

争う声を耳にして佳澄は読んでいた本を閉じて周囲を見回した。

問題児二人、ケイとタロウの姿が見えない。

「またか。」

手にした本を机に置いて佳澄は立ち上がる。

「そろそろ動くか。」


ケイは元々クラスのヒーロー側の子供だった。

顔も良く勉強も運動も出来て、身だしなみもきちんとしていて人気者だった。

だった・・・そう過去形なのだ。

スクールカースト上位だったケイは今、常にイライラして人気が急降下している。

昨年までは常に周りに友達が居たのに今は誰もいない。


タロウは小太りで勉強も運動も出来ない、会話も下手でいつもオドオドしているような子供だった。

最近は特に忘れ物が酷く服装も汚くて女子に避けられている。


佳澄の小学校は2年毎にクラス替えをする。

佳澄がこの二人と同じクラスになったのは3年から。

この二人と佳澄は所属するグループが違うのであまり交流が無い。

席も離れているので遠目に見るだけである。

そして最近になってケイがタロウをいじめているという噂を耳にするようになった。

そこで最初は担任に話を聞きに行った。

「二人共家庭に問題があるのよ。」

40代、ベテランの女性教師はため息を吐いた。

詳しい話は当然守秘義務があるから聞けなかったが、ケイは家庭不和、タロウは母親が妊娠中で悪阻で動けず、父親は仕事に忙しく家事が疎かになっているとのこと。

タロウの物忘れや服が汚いのはそれが原因らしい。

佳澄の家も共働きで弟がいるが兄と二人で家事を分担していたので弟が小さい時も特に汚いとか忘れ物をしたとか無かった。

「深山さんは女の子だから・・・」

担任の言葉に佳澄は首を横に振った。

家のことは兄と二人、最近は弟も参加して熟している。

性別は関係ない筈だ。

というか佳澄は下手な男子より男の子らしく女子の人気が高い。

「深山さんは二人のことをどう思っているの?」

担任の問いに佳澄は答える。

二人の様子を見ていて、佳澄が思ったのはケイの言うことはきついが間違ってはいないだった。

タロウは傍目に不愉快な格好で、においもきつい。

忘れ物等で周りに迷惑も掛けている。

注意をしても改善される気配がない。

タロウと同じ班の他の子もケイに同調している。

このままだといずれ酷いいじめに繋がりかねない。

そう話すと担任は悲しいそうな顔になる。

「私もそれを恐れているわ。

二人のご両親にも家庭訪問して話をしているのだけど・・・

ケイ君のところは表向きは問題なさそうに見えるのよ。

タロウ君のところは・・・役所に相談して支援を受けた方がいいと話しているんだけど時間が無いって言うのよね・・・」

こちらで勝手に動くわけにいかないしとため息を吐く。

「深山さん、貴方ならどうする?」

「私ですか?」

そこで佳澄はある提案をした。

閲覧、有難うございます。


子供に聞いてどうする?なんですが担任も追い詰められてます。

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