第6話 ツキノ村の少女は迷わず銃を持つ。
私達は地球に向かって旅を続けていた。
そして私達は不思議な村にたどり着いた。
「ツキちゃん、村に着いたみたいだね。」
「うん。そうみたい。」
その村の名は、
「ツキノ村って言うみたいだね。」
そう言葉にしたツキからすると、まるで昔から知っているかのような親しみを感じる場所だった。
村の人々はツキを見ると目を輝かせ、まるで特別な存在を迎え入れるかのように彼女を優遇し始めた。
「なんか…居心地悪くない?」ヒナタは小声でツキに囁いたが、ツキは微笑んで首を振った。「そうかな…なんだか、温かい気がするけど。」
そんな中、一人の少女がツキに近づいた。
褐色で、髪の毛を縛っている、強そうな女の子だ。
「ねぇ、こっちに来て。」
ツキの腕を強引に引いて村の一軒家の中へと案内した。
「わっちょっ!ヒナタ!」
「ツキっ!」
家の中は暗く、何かしらの緊張感が漂っていた。少女はツキを鋭く見つめ、静かに口を開いた。
「お前は…裏切り者だ。」
突然の非難にツキは目を見開いた。
「え…?何のこと?」
「お前が村の人たちを裏切ったんだ!あの時!お前のせいで、この村は!!」少女の声は次第にヒートアップし、感情を抑えられない様子でツキを責め立てた。
ツキは困惑し、記憶の中にそんな出来事は全くなかったが、少女の激しい感情に押され、言葉を失ってしまった。
…その時、家の外で待っていたヒナタが状況を察し、勢いよく家の中に入ってきた。
「ツキに何を言ってるの!」ヒナタは少女の前に立ち、拳を握りしめて振り下ろした。
コツン、と軽く頭を叩かれた少女は驚いて黙り込んだ。
「落ち着きなってば。ツキは君が言うような人じゃないよ。」
ヒナタは優しく微笑みながら少女を見つめ、ツキの肩を抱いた。
「ツキのことをそんな風に責めるのは間違ってる。」
少女はしばらく呆然としていたが、ヒナタの言葉に少しずつ落ち着きを取り戻した。
彼女は怯えた表情を浮かべ、少し反省した。
「ごめんなさい…だけど……許せない。」
その瞬間、外から大きな轟音が響いた。
村の人々の叫び声が空にこだまし、ツキとヒナタは急いで外に飛び出した。
村の広場には巨大な機械の化け物が立ちはだかっていた。異形の姿をしたその機械は村を襲撃し、村の人々を次々に倒していく。
「な、なに、あれ…!」
ツキは恐怖に声を震わせた。
「行かなきゃ!」
ヒナタは家から剥がれ落ちた木の支えを握りしめ、ツキの腕を引いて戦闘の準備を整えようとした。
その時、先ほどの少女が震えながらも、目を逸らすことなく化け物に立ち向かおうとしていた。
「私が…私がやらなきゃ!」
彼女は村の武器庫にあった拳銃を迷わず握りしめ、足を前に進めた。
…なぜ、拳銃が?
しかし私にはそこを突っ込むの余裕がなかった。
「やめて!無理だよ!」
私は彼女を止めようとしたが、少女の決意は揺るがなかった。
「もう1度…もう1度村が壊されてたまるかぁ!」
少女の声は震えながらも、確固たる意志が感じられた。
ツキとヒナタは互いに目を合わせ、なんとか彼女を止めようとするが、その時、機械の化け物がさらに近づいてきた…。
「さぁ来い!ツキ博士!!」
…ツキ博士?
…私、では無いのか?
だけどツキって、
「お前には呆れたよ!!村を作り、散々と協力させてぶっ壊すんだもんなぁ!!」
少女は化け物の方へ駆け出した。
機械の化け物が少女に向かって大きく、不揃いな腕を振り上げる。
村には大きく影が被さり、夜になる。
「くっ!」
重力に引っ張られるように、攻撃の受けた少女は、村の残骸と一緒に吹き飛ばされる。
しかしくるっと、体を軽やかに一回転させ体制を保つ。
瞬間。
銃を化け物の方へ向けて、目線を合わせた。
「これはお前が無駄にした私達、仲間の分だあぁぁぁ!!」
バンッ!
「これもっ!…これも!!これもっ!!!」
バン。バンバンッ!!
少女は銃を撃つがあまり、反動で手が自立しなくなり、ブランブランと揺れる。
「君っ!それ以上は危ない!!」
私がそう言って、
…少女の方へ身を乗り出した。
「ツキちゃんっ!」
私の目の前には大きく不揃いな手が向かってきた。
…あぁ、これが恐怖か。
最高に震えてる。
その瞬間、機械の化け物と会話をしたような気がした。
脳裏へと瞬間に焼き付く記憶。
焦げ臭い匂いが妙に脳に残っていた。
「……君、ロルロボの友達?」
「ツキちゃんっ!!早く避けて!!」
ギ、ギギ
……機械の化け物が、止まった。
「よっ良かった〜」
そう私とヒナタは声を揃えながら言って、落ち着きホッと一安心していた。
そこに少女が立ち上がり私に背中を向けた。
「どうしたの?」
ヒナタがそう聞くと、少女は喋り始めた。
「…ツキ、そうかあんたなら、アイツらを止められるんだな。納得出来た。」
静止している化け物を見た後、こっちを見た。
「私が大嫌いなのはあんただけどあんたじゃない。それだけは分かった。少し…感謝をすることにするよ。」
「それってどういうっ」
私の言葉を遮るように少女は言った。
「私の名前はエリ。この村で生まれこの村で死に、ここへ来た。」
「…少し話をしよう。緊張しなくてもいい、私はただの、死に損ないだっ。」
彼女は歯を前に出し、心強い笑顔を見せた。




