僕の机にめっちゃ女子がいる件について
しかし、次の日。僕は教室について吹っ飛びそうになった。
僕の机の周りにたくさんの女子がいた。
主にクラスの女子だが、知らない人もたくさんいる。
どういう状況? これは。よくわからないけど、たくさんの美少女からの、お呼び出しなようだ。
僕が僕の席に向かうことに罪悪感とか感じる必要はないよね、よし行くぞ。
ということで、僕がふつうに自分の席のところまで行くと、
「ねえ、ぬいぐるみの作り方教えて!」
「わ、私が最初にここにいたんだから私最初!」
「わ、私、事前予約した!」
「はいそれ嘘。連絡先知らないくせに」
えーと……。どうしたの? みんな。
僕が呆然と立っていると、一人が言った。
「昨日落とし物晒し大会ですごい可愛いハシビロコウのぬいぐるみ受け取ってたじゃん丸野くん。あれ見てすごいぬいぐるみ作るの上手いんだなあって思って」
「あ、ありがとう……え、でもみんななんでそんなにやる気あるの? ぬいぐるみ作りに」
「それはだってねえ! もう裕次くんが! 女子から可愛い手作りぬいぐるみが欲しいってSNSに投稿したもん!」
おいいいいい! 裕次! いやたまにしか話さない……いやごくたまにしか話さないけどさあ裕次くん。
裕次は、あまりにイケメン。芸能界に少し顔を出して人気が出始めた、日本全国にたくさん、そしてこの渚ヶ丘学園には圧倒的たくさんのファンがいる、超スーパースター。
最近は平凡じゃなくてこういう人を主人公にした方が受けるんじゃないの? そんな気がするよ。
まあ今のはいいや。
それで話戻すけどね。
そんな人が、女子から手作りぬいぐるみ欲しいって言ったらみんな作るに決まってんじゃん。そしたら僕のところに来る人もたくさんいるわけだ。
いやこれくらい予想してくれ。いや向こうから見たらどうでもいいのか僕のことなんて。
とにかく僕は頭を抱えざるを得なかった。
そしてそのまま数分考えて決めた。
「しょうがないからちょっとずつだけど、全員に教えるよ」
なんだかんだで僕はぬいぐるみが好きだ。校内でぬいぐるみブームが起きるのは悪くない。
僕は労力を惜しまないことにしたのだ。
えらい。
えらいはずだけど。
離れたところにいる、紅谷と目があった。
そうだった。
僕は大喜びしている女子軍団を一旦置いて、紅谷のところに行った。
「昨日、何かに誘ってくれたけどあれって……」
「ううん。あれはもう大丈夫。それにしても優しいね、みんなに教えるだなんて」
「あー、まあ僕、一応、ぬいぐるみ、好きだからさ」
僕がそう答えると、紅谷は少しだけ、嬉しそうに笑った。
お読みいただきありがとうございます。
次話は紅谷みゆき視点。そしてその次は最終話の予定です。最後まで是非お付き合いいただけたら嬉しいです。




