エルブンウォー開戦!!サメ殺し同好会VS婚活サークル・ラブアンドシャーク
サメ殺し同好会本拠地、エルブン城。
閉鎖空間での無限サメ殴りエクササイズ、シャークパンチングステーション…通称サメ部屋送りになっていた、コアラを含むグレーターエルフたちが帰ってきた。
サメ殴り生活を終えたコアラたち。筋骨隆々の黒き毛に覆われた2メートルほどの巨体の…コアラ?
いや、違う!
彼らはそのサメ殴り生活の果てに、もはやコアラを超えた存在…ゴリラになっている!有袋類から霊長類…それも最強の霊長類へと進化したのだ!もはや彼らがユーカリを食って日長眠ることなどありえない。優しげな瞳、咀嚼する口元、落ち着いた仕草。まさしくゴリラだ!!
そして6体のゴリラと共に、円卓の席を取り戻したメスエルフたち6名。彼女達もまた、サメ部屋に行く前とは違う生き物になっている。
今の彼女たちは平和ボケした半端エルフではない。サメ地獄から黄泉返った、狂えるエルフ。サメ殴りに飢える、本来のエルフだ!
各々が瓶コーラを指で胴抜きして飲み、ナッツを鷲掴みにして食うなどしている!瓶ビールを尻から飲んでいる者さえいる!危険過ぎる!!
「全員生きて返って来るとはのう。曲がりなりにもドゥームビッチが見立てただけはあるというわけじゃ。」
ふんどし幼女の古エルフが言った。
地中深く埋め込まれた丸太。それが彼らの新しい席だ。
円卓の場には古エルフ二名と、会長やエクストラバージンら居残り組も揃っている。しかし今回はノリヒロとポンティの姿が無い。
「では皆、これを見てくれ」
ある組織についてのプレゼン資料が円卓の中央に表示された。
婚活サークル・ラブアンドシャーク。
数あるサメ組織の中でも、サメに組するエルフの組織。つまり…ダークエルフの連合だ。
エルブンパワポ資料で表示された、ラブアンドシャーク会員のリスト。その中には彼女らが見知った顔もある。著名エルフ、芸能コアラ。そして…親族。
ノリヒロによるミルフへのインタビュー情報を元に、パフィニップルらが調べ上げたものだ。
彼らの本拠地、そのエルブンスペース上の座標なども割れている。エルブンゲートで向かえば実質ご近所だ。
「彼らはサメを操ります。
戦闘機級どころか、戦艦級、スペースコロニー級のサメを複数保有している。
名簿では…グレーター級のエルフが321体。アーク級のエルフが6体も確認されています。
彼我の戦力差から考えても今の私たちとは比較にならない。各々のサメ殺し活動中に遭遇しても、敵対は避けるべきです」
アークエルフ1体でさえ、サメ殺し同好会会長より格上の存在だ。個人で星間のパワーバランスを左右し、存在が秘匿され、みだりに語ることさえ禁じられる強力な生命体。しかもそれが、6体も。
「ノリヒロが戦った、ミルフと騙るエルフも本気ではなかった。
連中が擁するアーク級エルフの一人だ。…スペースコロニー級のサメを操っていたそうだ」
会長のドゥームビッチは深刻な顔で言った。サメ殺し同好会が今も存続しているのは、彼らがこちらに敵意を向けなかったというだけだ。
「ふむ。戦うべきではない、というのはその通りじゃな。そもそもエルフ同士の内ゲバなんぞに意味はない。
どうしてもサメが好きじゃというのなら…ワシ個人としては、そういう性趣向として認めんでもないしな。
……しかしじゃ」
円卓の中央に、彼らがいる場所とは別のエルブンスペース映像が表示される。
ラブアンドシャークの本拠地、そのリアルタイム3D映像だ。
ネオンによって彩られた飲食店、いかがわしいホテルやコロッセウム、ストリップ劇場その他非合法な店舗が立ち並ぶ、さながらダークエルブン・アミューズメントテーマパーク。
そして中央ダークシンデレラ城では…なんとおぞましい光景!アークエルフが集い、外宇宙から…サメを呼び寄せている!?
その現在進行形で呼び込もうとしているサメ存在は、スペースコロニー級を上回る…アステロイド級!原住民の間で"星食い"と認知されるサメ存在だ!
小惑星ほどもある巨大なサメが、ダークシンデレラ城上空のエルブンスペースに降りようとしている!!
「ワシらと同一のエルブンスペースにサメを呼び込むとは…ずいぶん好き勝手にやっとるようじゃのう。
このサメ殺し同好会は、そんなにマイナーな集まりじゃったのか?」
古エルフたちが現役の頃は、エルブンスペースにサメ映画のポスターを持ち込んだだけでも、夜な夜な同好会によって全殺しにされるほどであった。サメ状のものがエルブンスペース全体で禁忌とされていたのだ。
「この歴史深いサメ殺し同好会を知らないエルフはまずいません。…しかし、連中にとっては興味がないのでしょう。今の我々が、脅威であると思われていない」
「まあ、仕方がないよねえ。
あたしらがバリバリやってた頃ならともかく、あんたたちみたいな雑魚だけの会なら、相手にする価値もないからねえ。
森のダンゴムシ程度にしか見られてないんだろ」
ぎ、ぎ、ぎ…
…円卓の席を取り戻したグレーターエルフ達から、もうもうと湯気が立ち上る。凄まじい怒気により、体内森林が熱を帯びている!怒りのあまりに血管から血を吹き出す者さえいる!
「舐めてるよねえ。そんな奴らはどうすんだい?ええ?ダンゴムシちゃん?」
デスアクメ老師の言葉に、グレーターエルフたちは声を揃えて叫ぶ!!
「「「「 コロス!!! 」」」」
そう、サメは殺す。サメでなくとも、舐められたら殺す!それがエルフだ!!
戦力差?今は戦うべきではない?サメ部屋から戻ったエルフたちには、そんな屁理屈は通用しない。理屈の全ては屁だからだ!!
「ははは、ちょっとはエルフらしい面構えになったじゃないか」
「ええ!今すぐ奴らを殴りたくてウズウズしているんです。いつ出発で?」
「いつじゃと?」
「みなさん…ごめんなさい」
涙目で謝罪するパフィニップル。一体何を謝っているのか?そしてその手元のスイッチは?
ゴゴゴゴ…
地鳴りと共に、グレーターエルフたちの座る丸太が…せり上がる!?
パウパウパウパウパウ!丸太ミサイル発射!!
そう、新しい円卓の席は、丸太ミサイルの先端部であった!!
サメ殺し同好会、ゴリラを含むグレーターエルフ射出!!
エルブン城の天井を突き抜け、上空のエルブンゲートで転移!
ラブアンドシャークの本拠地、名簿に記されたアークエルフの座標へ直送だ!!
「ウギャアアアアアーッ!!!」
唐突にかかった激しいGに、エルブンゲート空間で恐慌状態のエクストラバージン!!
しかしサメ部屋帰りの猛者たちは怯まない。
スパンキング…メスガキエルフだった者は尋ねる。
「エクストラバージン!!ノリヒロはどこ行ったのよ!?アイツをぶっ殺すためにサメ部屋から出たのに!!」
「ええっ!?し、知らないよおおお!!」
トークンから古エルフの無線が入る。
「ノリヒロとポンティは先に行っとる。早く行かんと、獲物をとられるぞ。
さあ死んでこい、若者たち!」
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