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それでもノアは身体を伏せたまま、動こうとはしなかった。
「もういいでしょ。
キミが死ねば一族の使命も、役目も終わる。
キミはそのためにここにいるんだろう。
一族の為に、ただそれだけの為にキミはここまで来たんだろう 」
「しめ、い……」
ノアはぼうっと靄のかかった頭でグレンデルの言葉を繰り返す。
しかしその言葉の意味をはっきりとさせるように、あの女性の姿が頭をよぎった
「ちが、う……。違う!」
ノアは叩きつけるように床に手をついた。
ボロボロの身体を力付くで起き上がらせる。
「使命だとか、役目だとか……もう、どうだって良い!」
ノアはマフラーをハコブネに変化させた。
髪を乱暴に束ね、その髪にナイフをあてがうと、長く伸びた髪を切り捨てた。
「私は、私の意思で!ここにいる!」
決意と共にそう声を荒げる。
少女はハコブネの巫女としてではなく、"ノア"として戦う事を決めたのだ。
第二十章「誰が為でなく」終了




