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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第二十章
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163/167

4


それでもノアは身体を伏せたまま、動こうとはしなかった。


「もういいでしょ。

キミが死ねば一族の使命も、役目も終わる。

キミはそのためにここにいるんだろう。

一族の為に、ただそれだけの為にキミはここまで来たんだろう 」


「しめ、い……」


ノアはぼうっと靄のかかった頭でグレンデルの言葉を繰り返す。


しかしその言葉の意味をはっきりとさせるように、あの女性の姿が頭をよぎった


「ちが、う……。違う!」


ノアは叩きつけるように床に手をついた。

ボロボロの身体を力付くで起き上がらせる。


「使命だとか、役目だとか……もう、どうだって良い!」


ノアはマフラーをハコブネに変化させた。

髪を乱暴に束ね、その髪にナイフをあてがうと、長く伸びた髪を切り捨てた。


「私は、私の意思で!ここにいる!」


決意と共にそう声を荒げる。

少女はハコブネの巫女としてではなく、"ノア"として戦う事を決めたのだ。





第二十章「誰が為でなく」終了

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