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「お行儀の悪いコだ」
ノアは針の拘束を無理やり解く。
服は少し破れてしまったが気にしている余裕もない。
「全く、みない間にずいぶんおてんばになったじゃないか!」
カインは細剣の鋭い突きを放つが、ノアはそれを紙一重で避ける。
ぐっと手を握りしめ、グレンデルの胸に掌底を放った。
「ぐっ……」
グレンデルは短くうめき、ノアは続けて左足で蹴りを入れるが防がれ、今度はその足を軸に回し蹴りを放つ。
だがカインはしゃがみ、避けられてしまった。
「見切れないとでも思ったの。
ボクらの一族はグレンデルを手にした者と戦う為の体術とナイフ術を学ばされる。
でもグレンデル所有者が一族の人間なら、ボクの方が有利!」
グレンデルは鋭い連続の突きをノアにくりだし、ノアは避けきれず身体は裂傷だらけになる。
「ああっ……!」
傷口から血が吹き出し、それでもグレンデルは追撃として穿つような突きを放つ。
「これで終わりだ!」
「くうっ!」
ノアはナイフでガードする。
次にグレンデルは細剣を横凪ぎに振るった。
もう一度ガードしようとナイフを構えるも、細剣はナイフに弾かれる直前でペンダントへと変わる。
「そんな!」
「言ったでしょ、これで終わりって」
ペンダントは一瞬にして細剣に変わり、炎をまとった細剣はノアの胸元を貫いた。
「あ……う、嘘……」
「ダメだよ、ノア。法具は自在に姿を変えられる。
法具士ならそれを理解して戦わないと」
傷口が燃えるような熱さに包まれる。
ノアの身体は糸の切れた操り人形のように力が抜け、そのまま床に倒れた。
身体からはじわじわと血が流れ、ノアの身体を中心に血の池をつくるようだった。
「おやすみ、ノア。もう一族のために戦わなくて良いんだ。安心して眠れ」
──戦う……
──私は、何のために戦う……?
第十九章「行き着く先は」終了




