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「ボクはさ、アオンに憧れていたんだよ。
一族の使命にも誇りを持っていたし、ハコブネを継ぎ、グレンデルの封印が一族として生まれた自分の使命……」
グレンデルはノアの言葉に答えることなく、そう語り出す。
「周りからはボクが次の巫子だろうと、期待もされた。
それがボクの使命だと、そう思っていた。
でも今となってはどうでもいい」
グレンデルは諦めた風に静かに目を閉じた。
「だけどね、ハコブネがノアを選んでから、自分のしてきた事は無駄になって、まるで自分が空っぽになったように思えた」
「まさか、そんな理由で……。
私がハコブネを継承したからと言うそんな理由で!
そんな理由で一族は……!
まるで、まるで意味が……!」
「わからなくていいよ。
キミは、何もわからないまま死ぬんだ」
グレンデルは自らの首から下げられた法具を手にする。
それは炎と共に一本の細剣へと変わった。
「グレンデル……ッ!」
グレンデルは一瞬でノアとの距離を詰め、ノアの首もとに細剣の切っ先を突きつけた。
その剣は薄く炎をまとっており、じり、と少しだけ髪が焼かれ、落ちる。
「さぁ、始めよっか。兄妹喧嘩を」
グレンデルは静かに呟き、細剣を横凪ぎに振るった。
ノアはそれをしゃがんで避けるものの、グレンデルはそれを読んでいたかのように鋭い蹴りを放つ。
ノアはそれを腕で防ぎ、グレンデルから距離を取る。
「待ってください!私は貴方と戦いたくなんて……!」




